日経平均の予想: <080917>日経平均の今後の見通し

Wednesday, September 17, 2008

<080917>日経平均の今後の見通し

[市況]
16日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比200円ほど高く寄り付き、前場は260円高となる場面もありましたが、後場の中頃ににかけて70円高まで売られ、結局150円高で引けました。寄付き前の外人は150万株の売り越しで、出来高は22.6億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小し、個別銘柄は"売り"が有利ながら、ボトムアウト感があります。
16日の米国株式市場では、FRBはFOMCを開き金利の据え置きを決めたと発表すると、利下げ期待筋の売りで下げる場面もありましたが、FRBがAIGへの支援策を検討していると伝わると、期待感から金融株を中心に買い戻しの動きが広がりました。
17日の日本市場では、FRBが、経営危機に陥ったAIGに公的資金を投入し、政府管理下に置くと発表すると、先物への買い戻し主導で上げ幅を広げる場面があったものの、香港株や上海株が軟調なことで、世界景気の減速懸念が意識され積極的な買いは入らず、今夜の米市場の反応を見極めたいとのムードも残ったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は上げたものの、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-31.7%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-13.7%とマイナス幅が拡大縮小しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.5ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.9ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、一時7月安値を更新しました。Nasdaqも、75日線、9日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在り、一時7月安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは引き続き"赤信号"で、中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場は利下げはありませんでしたが、FRBがAIGへの支援との思惑でなんとか上昇しましたが、次の破綻懸念企業はないのかとの疑心暗鬼はまだ残っているようです。加えて、世界景気の減速懸念は高まると思われます。さらに、中長期的に見ると、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはまだ時間がかかりそうです。米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、16日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在15.7ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.9%で、予想PERは14.1となりました。

[今後の見通し]
日本市場はAIG救済のニュースと為替が円安に振れたにも関わらず、物足りない上げ幅でした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.6%(-200円)と割安度は増加しました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も新安値となりました。昨日の安値さえ一度も上回れない弱い動きでした。やはり、AIGの救済を今夜の米国市場がどう評価するかがポイントのようです。3月のようにここから反発するかどうかは、明日の動きで見極める必要があると思います。


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