[市況]
27日の、NYDowと、NASDAQが下落したことを受けて、28日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付きました。その後は買い戻され、後場に70円高まで買われましたが、最終的に30円高で終わりました。日経平均は12円高で引け、寄り付き前の外国人は520万株の買い越しで、出来高は22.4億株と増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感がでてきました。
27日の米国市場は、昨日の大幅高で利益確定売りが出たうえ、午後に長期金利が急上昇したことで米景気を冷やす可能性が意識され、売りを誘いました。米連邦預金保険公社が経営に問題のある金融機関が305行と2008年末から53行増えたと発表したことで、金融株も売られました。
28日の日本市場では、朝方は米市場の下落で安く始まったものの、円安に推移したことで電機や自動車といった主力株が買われ、先物に断続的に買いが入り、日経平均は堅調に推移しました。しかし、大引け間際にまとまった売りが出て上げ幅を縮小したことで、11日に付けた年初来高値の9452円に50銭ほど届きませんでした。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+17.7%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は+1.1%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスとなりましたので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.5ポイント上にある状態となり、日本市場は割高となりました。
NYDowは75日線の上にありますが、25日線、9日線を下回りました。200日線は下回っています。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、一目均衡の雲の上に在り、9日線、25日線、200日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日に迫る中、GMが債務削減に失敗し、週内に対応を協議すると発表しました。法的整理が濃厚になりました。2つめについては、米国の雇用状況は高止まりながら底打ちの兆しが多少出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在していますが、消費者信頼感指数が予想を上回り好材料視されています。3つめについては、米連邦預金保険公社が経営に問題のある金融機関が2008年末から増加と発表したことが、悪材料となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は27日は下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.70ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終盤となり、予想PERは40.3となりました。PBRは1.2となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、円安もあり、米国市場の下落にも関わらず小幅上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.3.%(300円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+200円~+460円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
日本市場は短期的にも中期的にも青信号が点灯していますので、日経平均は短期上昇トレンドを維持していると思われます。200日線を抜き、今日は200日線が下値支持線となりました。しかし、今日は9500円に先物の大量の売り指値があったようで、強力な抵抗線となっていました。5月11日の高値9504円を抜けずにもたつくようですと一旦下落もありそうです。
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