[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は小売売上高の減少やストレステストなどの重要日程を終え、材料出尽くし感から下落しました。今週は、19日の4月の米住宅着工件数、20日の日本の1-3月GDPなどの経済指標が相場の影響要因となりそうです。一方、中長期的には、世界同時不況と、不動産価格の下げ傾向は今後も続くと思われます。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は5.6ポイント割高となりました。先週と比べ割高度が1.2ポイント縮小しました。3月度決算発表が進み、日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは115.5となりました。S&P500のPERが16.4と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ることが割高の原因です。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は金融株の反落と、経済指標を嫌気し下落しました。今週も軟調な展開が予想されます。
②決算発表が進み、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより-51.3%の減益予想なりました。
③長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は1.8-1.7%と縮小ぎみで、為替は98-95円台と円高方向に変化しました。今週は、99-94円台が想定されます。
④今年3月末に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-6.6%となり、米国は-4.0%になりましたので、この面では日本市場にとって2.6ポイント弱気材料となりました。
⑤外人は5月1週は買い越しでした。5月2週は売り越しだった可能性が高く、今週も売り越し傾向が続くと思われます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が弱気材料でした。今週も①⑤と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、0.7ポイント割高となり、先週比1.6ポイント割高方向に動きました。一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は-2.8%となり先週と比較してマイナス幅は0.9ポイント拡大し、総合乖離率は+13.7%となりプラス幅が縮小しました。2つがプラスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので短期的には"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは一目均衡表の雲や、25日線の上に在りますが、9日線は下回っています。Nasdaqは一目均衡表の雲の上に在りますが、25日線、9日線を下回っていますので、短期的には"黄信号"で、中期的には"黄信号"が点灯しています。
[今週の見通し]
先週の日経平均は200日線を抜けずに押し戻され、中期トレンドの青信号点灯は持ち越されました。長期間200線を下回っていましたので、一旦、200日線が抵抗線になる可能性が高くなりました。短期的には上昇トレンドが維持される(8500円は割らない)可能性が高いものの、前週末の米国株安、日経平均の米国市場と比べ目先買われ過ぎ、日本国内での新型インフルエンザ大量感染など、今週の週初は下落して始まる可能性が大です。20日には1-3月GDP 発表がありますので、内容次第では、さらに一段安もあり得そうです。
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