[市況]
6日及び連休中の、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、7日の日経平均先物は、前日比350円高で寄り付きました。その後売られ、後場初めに260円高まで下げる場面もありましたが、その後は堅調な動きとなり、最終的に340円高で引けました。日経平均は408円高で引け、寄り付き前の外国人は2940万株の買い越しで、出来高は31.1億株と、高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
6日の米国市場では、7日にも公表されるストレステストの結果が懸念したほど厳しいものにならないと受け止められ、金融株を中心に買いが広がりました。ADPの4月全米雇用リポートで雇用者数が懸念したほど減らなかったことも、株価指数の上昇要因となりました。
7日の日本市場では、米景気の底入れ期待や金融不安の後退や連休中の米国市場の上昇もあり、投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買いが入り、4ヶ月ぶりに年初来高値を更新しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号です。一方、日経平均の総合乖離率は+20.4%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-2.6%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.9ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は縮小しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在り、200日線も上回りました。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.4ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、クライスラーは破産法適用の後、再建ということになりました。GMのタイムリミットは5月末に延期されましたが、GMもが追加再建計画を示し市場は一旦評価しました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちですが、再び楽観論が大勢となってきたようです。5月7日の発表内容が報道により次第に明らかになるにつれ、過度な金融不安はなくなりつつあります。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は改善の兆しがありません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は6日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.86ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中につき、予想PERは計算不能となりました。PBRは1.1となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、連休中の米国市場の上昇に連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1.%(10円の割高)となっており、日経平均は、ほぼニュートラルになりました。プレミアム値は、ここ1週間、-170円~+70円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均は4月10日の高値9069円だけでなく、ボリンジャーバンド+2σも抜き、年初来高値も更新しました。その結果25日平均乖離率が6.4%と警戒域となり、サイコロジカルラインも75%に上昇し警戒域となりましたので、目先は過熱感がでてきました。ストレステスト結果発表後小反落も考えられる水準となりました。
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