[市況]
18日の、NYDowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、19日の日経平均先物は、前日比250円高で寄り付き、後場初めに180円高まで値を下げる場面がありましたが、その後は若干戻し、最終的に220円高で終わりました。日経平均は251円高で引け、寄り付き前の外国人は60万株の売り越しで、出来高は23.2億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
18日の米国市場では、ゴールドマン・サックスがバンカメを買い推奨したことで、金融株が買い戻されました。ホームセンター大手のロウズの市場予想を上回る決算発表や、5月の米住宅市場指数が前月比で2ヶ月連続で上昇したことで、景気に楽観的見方が広がり幅広い銘柄が買われました。下院総選挙の結果でインドの株式相場が急伸したことも市場心理を改善させ、株価指数は引けにかけて上げ幅を広げました。
19日の日本市場では、米市場が大幅上昇したことや、円高基調が一服したことなどで、輸出関連銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となりました。中国が鉄鋼の生産調整に乗り出したとの報道を受け、製品市況の回復期待から鉄鋼株も上昇しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にあり、9日線を上回りましたので、短期トレンドは黄信号から青信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+14.0%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.8ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線、25日線を上回わりました。200日線は下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変化しました。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が4.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及しましたが、労組と合意の方向との報道も出て揺れています。ただ、債権者との合意が出来るかが問題です。2つめについては、米国の雇用状況と住宅に底打ちの兆しが多少出てきました。一方、小売り売上の2ヶ月連続減少が重しとなっています。経済指標は材料としては好悪まちまちです。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は18日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.64ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは47.5となりました。PBRは1.2となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、円安に振れたにも関わらず、NYDowの上昇率ほどは上昇しませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.6.%(50円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が大幅に縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+10円~+360円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均はプレミアムが大きかったことから、上昇幅は限定的でした。その結果。プレミアムは50円と190ポイント減少しNYDow水準に近付きました。昨日25日線に接近しましたが今日は3.4%の上方乖離となりました。日経平均は短期上昇トレンドにあると思われますので次の注目点は5月11日の高値9504円を抜けるかどうかですが、新たな買いシナリオが見えてきたとはまだ言えませんので、昨日の上昇幅が大きかった分、今夜の米国市場は利食い先行の調整となりそうです。プレミアムは無くなりましたので、日経平均も米国市場の動きに連動する動きが予想されます。
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