日経平均の予想: <20090521>日経平均の今後の見通し

Thursday, May 21, 2009

<20090521>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日の、NYDowと、NASDAQが下落したことを受けて、21日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き、前場に150円安まで売られる場面がありました。後場も安値近辺で推移しましたが、引けにかけてもどし、最終的に50円安で終わりました。日経平均は80円安で引け、寄り付き前の外国人は480万株の買い越しで、出来高は20.4億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

20日の米国市場では、原油をはじめ商品先物相場が堅調で素材株の一角が買われ株価指数は堅調な場面もあったものの、FRBが午後に発表した経済予測で、実質GDP成長率見通しが下方修正されたことが金融株を中心に売りに繋がったようです。
21日の日本市場では、円が94円台前半と前日に比べ1円超上昇し、輸出企業中心に売りが優勢でしたが、「内閣府が25日に公表する5月の月例経済報告で景気の基調判断を3年3ヶ月ぶりに上方修正する」と報道されるなど、国内景気の底入れ期待は根強く下値を売り込む動きも限られ、引けにかけて戻しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線を若干下回りましたので、短期トレンドは青信号から黄信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+12.7%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-2.0%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.4ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。200日線は下回っています。NASDAQは、75日線、、9日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、。200日線を上回っています。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が4.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及しましたが、労組と合意の方向との報道も出て揺れています。ただ、債権者との合意が出来るかが問題です。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しており、小売り売上の2ヶ月連続減少やFRBのGDP下方修正が重しとなっています。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は20日、下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.69ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは40.6となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高にも関わらず、結局NY Dowの下落率と同程度下落となりました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.0.%(260円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+10円~+360円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
円ベースの日経平均を除き、日米市場とも短期的に青信号が点灯しており、悪材料をこなしつつ堅調な展開が続いています。日経平均は短期上昇トレンドにあると思われますので、次の注目点は5月11日の高値9504円を抜けるかどうかですが、新たな買いシナリオが見えてきたとはまだ言えませんので、テクニカルな指標に影響されそうです。心理的節目の9500円がボリンジャーバンドの+2σや200日線の近辺でもあり、ここが抜ければ一段の上昇も見込めますが、かなりエネルギーが必要と思われます。ここ数日、出来高が減少している点が問題です。



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