[市況]
30日、NYDowは小幅下落しNASDAQは小幅上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き後場初めに40円安まで下げる場面もありましたが、その後は堅調な動きとなり、最終的に170円高で引けました。日経平均は149円高で引け、寄り付き前の外国人は620万株の買い越しで、出来高は22.5億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しましたが、個別銘柄に関しては、売り買いが拮抗している状態です。
30日の米国市場では、4月の景気指数が予想を上回ったほか、週間の新規失業保険申請件数が予想より少くなるなど、経済指標や企業決算内容を好感し、NYDowは午前中は堅調に推移しましたが、クライスラーの破産法適用申請の発表が重しとなりNYDowは小幅安で引けました。
1日の日本市場では、連休を控え、後場初めに利益確定売りが出て、全般的に安くなる場面がありましたが、引けにかけて先物主導の買いが入り、主力株が上昇して終了しました。一方、朝方発表の雇用や物価の経済指標は、市場の予想範囲内で相場への影響は限定的でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号です。一方、日経平均の総合乖離率は+6.8%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-7.0%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.3ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は縮小しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、クライスラーは破産法適用の後再建ということになりました。GMは5月末に延期されましたが、GMが追加再建計画を示し市場は一旦評価しました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関してはFRBがシティグループやバンカメに資本増強を要請すると報じられ、5月4日の発表が重要性を増しました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は改善の兆しがありません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は29日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.12ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中につき、予想PERは計算不能となりました。PBRは0.98となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、円安もあり、米国市場以上に上げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%(40円の割高)となっており、日経平均は、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-170円~+240円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均はクライスラーの破産法適用や連休を控えポジション縮小の動きもさほど影響せず4月10日の高値1069円に接近するまで上昇しましたが、抜くまでには至りませんでした。連休明けに抜くことが出来るか否かは米国市場の動き次第ですが、やはり、5月4日のストレステスト内容発表後の金融不安状況と豚インフルエンザ問題の影響を見極める必要がありそうです。ここ2日の日経平均の上昇には多少違和感が残ります。
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