[市況]
12日の、NYDowは上昇しNASDAQが下落したことを受けて、13日の日経平均先物は、前日同値で寄り付きました。前場に50円安まで売られる場面もありましたが、後場に買い戻され、最終的に40円高で終わりました。日経平均は41円高で引け、寄り付き前の外国人は220万株の売り越しで、出来高は23.9億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
12日の米国市場では、フォードや一部銀行が普通株による公募増資を発表。株主価値の希薄化懸念が広がったことや、複数の幹部が保有株を売却したと米メディアが報じたGMが連日で2桁の下落となったこと等で市場心理を冷やしましたが、前日にNY Dowは155ドルと大きく下げた後とあって下値ではディフェンシブ銘柄の押し目を拾う動きが見られ、NY Dowは上昇に転じて終えました。
13日の日本市場では、自動車やハイテク株がさえなかった半面、電力や食料品、情報通信株などが出遅れ感を背景に買いを集めました。週末にかけて発表がピークを迎える3月期決算を見極めたいとの雰囲気から、模様眺めもあったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号です。一方、日経平均の総合乖離率は+16.7%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-2.3%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.4ポイント下にある状態となり、日本市場の割安感はほぼ無くなりました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回っています。200日線も下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が6.8ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが5月末に延期されましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及し、可能性が出てきました。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、再び楽観論が大勢となってきたようです。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感も出てきたようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は12日、下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.66ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中で、予想PERは計算不能となりました。PBRは1.1となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に合せて上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7.%(230円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+260円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均の出来高は減少し上昇力はあまり有りません。テクニカルには米国市場が黄信号となっている点が気になりますが、日経平均は短期的に青信号が点灯し続けており、上昇トレンドの中にあります。25日平均乖離率が4.7%でサイコロジカルラインが75%とやや目先の警戒域がありますので、上昇トレンドの中の一服が続きそうです。
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