日経平均の予想: <20090511>日経平均の今後の見通し

Monday, May 11, 2009

<20090511>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日の、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、11日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。前場に50円高となる場面もありましたが、後場初めに120円安まで売られましたが、引けにかけてもどし、最終的に10円安で引けました。日経平均は19円高で引け、寄り付き前の外国人は1420万株の買い越しで、出来高は30.4億株と高水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

8日の米国市場では、前日夕に公表された金融機関のストレステストの結果が安心感につながり、金融株が上昇しました。4月の雇用統計では、前月比53万9000人減と、減少幅が市場予想の61万人を下回り、失業率は8.9%に上昇したものの、市場は米景気が底入れに向かっていることを示す内容と受け止めたようです。
11日の日本市場では、日経平均が前週末までの4営業日で11%超上昇したことから、警戒感も強く、朝方に心理的な節目となる9500円を上回ると達成感から、利益確定売りに押される場面があったものの、武田や塩野義など午後に決算を発表した銘柄群の一角が買いを集めたことでが日経平均を下支えしたようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号です。一方、日経平均の総合乖離率は+21.3%とプラス幅は変化せず、200日線との乖離率は-1.5%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.5ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅はほぼ無くなりました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線を上回りました。200日線は下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号となりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が6.8ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、クライスラーは破産法適用の後、再建ということになりました。GMのタイムリミットは5月末に延期されましたが、GMも破産法適用が懸念されます。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、再び楽観論が大勢となってきたようです。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感も出てきたようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は8日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在4.02ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中につき、予想PERは計算不能となりました。PBRは1.1となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、130円のプレミアムがありましたので、米国市場の上昇にも拘らず、さほど上昇しませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2.%(10円の割高)となっており、日経平均は、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+150円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均は利食い売りが出やすい水準でしたので、下落する場面もありましたが、今日も小幅に年初来高値を更新しました。テクニカルにも短期の青信号が点灯し続けていますので、上昇トレンドの中にありますが、25日平均乖離率が6.7%でサイコロジカルラインも75%ですので依然として目先は警戒域です。ここからの上昇には出来高が高水準を保つことが必要です。ちなみに今日の出来高は30.4億株と高水準でした。明日以降も出来高に注目する必要があります。出来高が減少すれば、一服となりそうです。


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