[市況]
13日の、NYDowとNASDAQが下落したことを受けて、14日の日経平均先物は、前日比220円安で寄り付きました。後場にかけて300円安まで売られる場面もありましたが、引け際に買い戻され、最終的に230円安で終わりました。日経平均は246円安で引け、寄り付き前の外国人は1380万株の売り越しで、出来高は23.2億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
13日の米国市場では、4月の小売売上高は前月比0.4%減と市場予想の0.1%増に反して2ヶ月連続で減少し、景気の底入れの期待感がやや後退し、小売株、素材株など景気敏感株が売られました。金融株にも売りが続いたこともマイナス要因となりました。
14日の日本市場では、米景気の回復期待がそがれ、国際優良銘柄を中心に売られました。円が約2ヶ月ぶりの円高水準となる95円台前半まで上昇したことを受け、さらなる円高進行への警戒感も出て投資家心理を冷やしたようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線を下回りましたので、短期トレンドは青信号から黄信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+8.1%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-4.7%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント下にある状態となり、日本市場の割安感はほぼ無くなりました。
NYDowは75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回わりました。200日線も下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が6.1ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが5月末に延期されましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及し、可能性が出てきました。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、小売り売上の2ヶ月連続減少が重しとなりました。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は13日、下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.41ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは126.7となりました。PBRは1.1となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に合せて下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.0.%(260円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+300円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均の出来高は減少し、一服しました。テクニカルには日・米国市場とも黄信号となりました。Nasdaqが25日線を下回った点が気になりますが、25日平均乖離率が1.8%でサイコロジカルラインが67%と目先の警戒域は後退しました。25日線もからめて9000円ラインの攻防が目先の方向に関係しそうです。
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