[市況]
19日の、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しましたが、20日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付き、寄り付き後に110円高まで値を上げる場面がありましたが、その後は売りに押され、最終的に30円高で終わりました。日経平均は54円高で引け、寄り付き前の外国人は190万株の買い越しで、出来高は20.7億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
19日の米国市場では、4月の米住宅着工件数が市場予想を下回り、過去最低水準に減少したことが相場の重しとなりNY Dowは下落して終了しました。しかし、米景気の改善期待も根強く、Nasdaqは小幅に続伸しました。
20日の日本市場では、1-3月期のGDP速報値で減少率が戦後最大となりましたが、市場予想の範囲にとどまり、反動で4-6月期はプラスに転じるとの期待感もあり、確りした動きとなりました。ただ、9500円の心理的な節目はクリアーできず、円が一時95円台に上昇したことで、輸出株の一角に売りが出て日経平均は小幅高で終わりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+15.6%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-1.3%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.1ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。200日線は下回っています。NASDAQは、75日線、、9日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、。200日線を上回りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変化しました。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が4.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及しましたが、労組と合意の方向との報道も出て揺れています。ただ、債権者との合意が出来るかが問題です。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。一方、住宅関連はまちまちで、小売り売上の2ヶ月連続減少が重しとなっています。経済指標は材料としては好悪まちまちです。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は19日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.77ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは47.7となりました。PBRは1.2となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowが調整安となったにも関わらず若干上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2.%(100円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+10円~+360円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
日米市場とも短期的に青信号が点灯しており、悪材料をこなしつつ堅調な展開が続いています。日経平均は短期上昇トレンドにあると思われますので、次の注目点は5月11日の高値9504円を抜けるかどうかですが、新たな買いシナリオが見えてきたとはまだ言えませんので、テクニカルな指標に影響されそうです。心理的節目の9500円がボリンジャーバンドの+2σや200日線の近辺でもあり、ここが抜ければ一段の上昇も見込めますが、かなりエネルギーが必要と思われます。
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