[市況]
28日のNYSEは下落でNASDAQが小幅上昇しましたが、日経平均は90円ほど安く寄りつき、後場初めまでは上昇し一時90円高もありましたが、その後下落し、結局44円安で引けました。外人は670万株の買い越しとなり、出来高は21.5億株と増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅は若干縮小しましたが、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
29日の米国株式市場では、2月のケース・シラー住宅価格指数が前年同月比下落率が拡大し、4月の消費者信頼感指数は前月から低下するなど、悪い経済指標が続いて売り物がやや優勢になりましたが、FOMCを控えて市場の反応は限られたようです。
30日の日本市場では、朝方発表の3月の鉱工業生産指数が市場予想を下回ったことが警戒され、寄付きは100円超下落しましたが、松下やTDKの上昇を背景に、14000円に接近しましたが、その後は利益確定売りに押されました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に抜け、総合乖離率は+0.6%とプラス幅が若干縮小、200日線との乖離率も-8.7%とマイナス幅は若干縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントと変わらず、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.3ポイント下回わるレベルに拡大しましたが、売られ過ぎ感は改善方向です。
NY Dowは25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出て、2月高値も大きく抜きました。11700-12700の持ち合いを脱し上昇トレンドを確認しました。今後は12700が下値抵抗線となる可能性が大と思います。Nasdaqも、25日線、75日線と2月の高値を抜き、一目均衡表の雲の上に抜けました。一方、日経平均は、2月の高値はまだですが、25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出ました。しかし、日米とも25日線との乖離率は警戒域に入りましたので、目先は一服しそうです。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では悪い経済指標が出て売りがやや優勢になりましたが、今夜のFOMC待ちです。 主要企業の決算発表内容はまちまちですが、総じて言えば今のところプラスに作用しているようです。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、金融機関の破綻懸念は完全に払拭された訳ではないことは忘れてはいけません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われますが、米国政府はこの為の検討に2ヶ月の時間的猶予を得たと理解しておくべきでしょう。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。一方、日本企業の3月期決算発表が始まりましたが、日経平均の今期増益率は-3.8%で、予想PERも16.3まで上昇しています。
[今後の見通し]
今日の日本市場は売り買いが交錯し方向感のない相場でしたが、ここ数日はFOMCの利下げ完了を先取りした動きとなっています。今後の中期的な株価を占う上で、今夜のFOMC後の声明の内容が重要となりました。日米とも目先は高値警戒域に入りましたので、悪材料に敏感な時期となるように思われますが、25日線が上昇に転換して75日線を抜きましたので、下げても25日線までと思われます。
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