[市況]
4日のNYSEは小幅下落、NASDAQが小幅上昇したことを受けて、日経平均は50円ほど安く寄りつきましたが、前場は徐々に上昇に転じ、後場に一段高となり、結局157円高で引けました。外人は210万株の売り越しで、出来高は今日も18.3億株と低水準でしたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大しました。個別銘柄は"買い"有利な状況ですが、なおピーク・アウト感があります。
4日の米国株式市場では3月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比8万人減と市場予想の5万人減を上回って減るとともに、1、2月の雇用者数も大幅に下方修正されたことを嫌気して下落しして始まりましたが、プラスになる場面もあり、むしろ、市場では景気改善の期待の強さが意識されました。7日の日本市場では取引時間中は円相場が102円台半ばで推移し、円高・ドル安の進行に一服感が広がったとの認識からソニーなどハイテク株の上昇を支えたようです。景気動向指数の発表後も堅調な相場展開になっていたことで、買い安心感もあったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の100円下までに接近、総合乖離率は-8.7%とマイナス幅がかなり縮小、200日線との乖離率も-13.5%とマイナス幅が縮小しました。大分改善してきましたが、3つとも依然マイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.2ポイントに縮小しました。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が6.5ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は縮小しました。
NY Dowは75日線の上に在り、あと少しで一目均衡表の雲を抜けますが足踏みしています。あと150ドルでボリンジャーバンド+2σに到達します。NasdaqとS&P500は一目均衡表の雲の中にあり、昨日の高値で75日線とボリンジャーバンド+2σに到達しました。この辺でピーク・アウトしてもおかしくありません。一方、日経平均は一目均衡表の雲の下限や、75日線とボリンジャーバンド+2σにさらに接近しました。あと100円で複数の節目に到達します。跳ね返されるかどうか正念場となっています。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場は雇用統計発表内容が悪かったにも関われず、あまり下げなかったことで、逆に悪材料を織り込み済みとの安心感が出ているようです。日経平均にも良い影響がありましたが、今月中旬以降に控えている金融機関の1-3月期の決算発表が終わるまでは安心できません。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、本格反転まで、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均はドル換算チャートでは75日線を抜き、2月高値に接近し、一目均衡表の雲の上限とボリンジャーバンド+2σに到達しました。これ等を一気に抜けるかどうかが一両日の注目点です。抜ければ、売り方の買い戻しや外人買いを誘い一段高が期待できます。一方、短期テクニカル指標も目先のピークを示すものが多く、抜けずに下落すると逆に失望売りを誘いそうです。
参考になったら下をクリック!
今日の強気・弱気材料はこちら=>今日の強気・弱気材料
注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください