[市況]
31日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は15円ほど高く寄りつき、前場は一旦下落したものの、後場にかけて上昇し一時前日比250円ほど高くなる場面がありましたが、引けにかけて下げ、結局130円高で引けました。出来高は今日も17.4億株と低水準で、外人は180万株の売り越しとなりましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大し、個別銘柄は"買い"有利な状況が続いています。
31日の米国株式市場ではポールソン米財務長官が1930年代の大恐慌以来となる金融行政の包括的な改革案を発表したことが金融株高につながり、3月のシカゴ購買部協会景気指数が予想を上回り、買いが優勢になりました。
1日の日本市場では朝方発表の日銀の短観で景況感の急速な悪化が示されましたが、予想の範囲内との受け止め方が多かったようで、株価指数先物は買い戻す流れが一時強まりました。後場中ごろにUBSの追加損失拡大が伝わり、株価指数先物に仕掛け的な売りが出て、日経平均は伸び悩みました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の700円下までに縮小、総合乖離率は-28.0%とマイナス幅が縮小、200日線との乖離率も-19.0%とマイナス幅が縮小しましたが、3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントと変化はありません。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が8.1ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は減少しました。
NY Dowは昨日の上げでも、25日線を越えていませんが、一目均衡表の雲の下限までもどしました。しかし、正念場であることは変わりません。Nasdaqは25日線を抜きましたが、S&P500は25日線までもどっていません。一方、日経平均は終値は25日線は抜けませんでした。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場はポールソン米財務長官の改革案でなんとか上昇しましたが、今月中旬以降に控えている金融機関の1-3月期の決算発表が終わるまでは動きづらくなっているようです。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、本格反転まで、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均はなんとか戻しましたが、25日平均線には届かず。頭を抑えられている感じです。9日平均線も迫ってきましたので、そろそろ上か下に離れそうな気配です。今夜は3月の米ISM製造業景気指数の発表が有りますのでどう反応するか注目したいと思います。
参考になったら下をクリック!
今日の強気・弱気材料はこちら=>今日の強気・弱気材料
注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください