日経平均の予想: <080411>日経平均の今後の見通し

Friday, April 11, 2008

<080411>日経平均の今後の見通し

[市況]
10日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は110円ほど高く寄りつき、前場はさらに上昇、後場も引き続き堅調な動きとなり、結局378円高で引けました。出来高は20.2億株と低水準でしたが、外人は久々に290万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しました。個別銘柄は"売り"が若干有利ですが、実質中立です。
10日の米国株式市場では週間の新規失業保険申請件数は前週比5万3000件減と、市場予想以上に減少。雇用への安心感がでたことや、ウォルマート・ストアーズやデュポンが一株利益見通しを上方修正、また、ゴールドマン・サックスのCEOが、金融危機は終わりに近づいているとの見方を示したとたことなどが上昇要因となったようです。
11日の日本市場は前日の米市場の上昇や円相場の上昇一服に加え、国内企業の好業績見通しへの安心感がでて、SQ通過やアジアの主要株価指数が堅調であったこともあり、波乱無く上昇しました。

[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の100円下に接近、総合乖離率は-10.2%とマイナス幅が大分縮小、200日線との乖離率も-13.7%とマイナス幅が縮小しました。3つとも依然マイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.3ポイントに縮小しました。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が6.0ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感はかなりなくなってきました。
NY Dowは昨日の上昇で高値で一目均衡表の雲の上に出ましたが、終値は雲の中です。しかし、2月の高値も含め再び抜くチャンスが来たようです。Nasdaqは一目均衡表の雲の中ですが、9日線再び抜き返し75日線に接近しました。一方、日経平均はまだ一目均衡表の雲の下したですが、9日線を抜き返し再び75日線に接近しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では雇用の強さと有力企業の業績上方修正が出て上昇しました。しばらく、決算発表に一喜一憂しそうです。焦点はやはり、今月中旬以降に控えている金融機関の1-3月期の決算発表と思いますので、これが終わるまでは安心できません。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、本格反転まで、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。

[今後の見通し]
短期テクニカル指標は目先のピーク・アウトを示すものが多く、日柄的にも4月上旬が転換しやすい時期ですが、日経平均は今日の上昇でドル換算チャートでは9日線を抜き返し、一目均衡表の雲を抜けました。あと少しで2月高値を抜くところまで、戻しました。ドル換算チャートでは1月安値を割っていませんので、2月高値を大きく抜ければ、ドルベースで見ている外人には日経平均は短期上昇トレンド入りと映ると思われます。再び正念場となりました。

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