[市況]
16日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は170円ほど高く寄りつき、前場は、一時前日比350円ほど高くなる場面もありましたが、その後は若干下げ、結局252円高で引けました。出来高は18.6億株と低水準ながら、外人は1270万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
16日の米国株式市場では、3月の米消費者物価指数が市場予想通りだったことやインテル、コカ・コーラ、JPモルガン・チェースの決算や見通しが市場予想を上回ったことを受け、業績悪化への過度の不安が後退し買いが先行しました。3月の住宅着工件数が市場予想以上に減少したほか、原油先物相場が最高値更新を続けるなど悪材料もありましたが影響は限定的でした。
17日の日本市場では、米企業の1―3月期決算発表が進む中、米株が上昇基調を強めていることで先行きへの不安が後退し、大手銀行株や証券株など金融株を中心に幅広く買われました。もっとも上値の重さから、終盤にかけてはやや伸び悩みました。[テクニカル視点]一目均衡表では雲の中に入り、総合乖離率は-7.7%までマイナス幅が縮小、200日線との乖離率も-12.7%までマイナス幅が縮小しました。大分改善してきましたが、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が5.1ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は減少傾向です。
NY Dowは昨日の上昇で25日線、27日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出ました。2月高値はまだ抜いていませんので、11700-12700の持ち合いの中であることは変わりません。Nasdaqは、まだ一目均衡表の雲の仲に入り、25日線を抜き75日線に到達しました。一方、日経平均は、今日の上昇で、一目均衡表の雲の仲に入り、75日線も抜きました。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では景気指数の改善と主要企業の好業績発表が続き上昇しました。しばらく、決算発表に一喜一憂しそうです。今のところ金融機関の1-3月期の決算発表は相場への影響は限定的でが、これが終わるまでは安心できません。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、これ以上破綻する金融機関がでれば、ベアー・スターンズのスキーム以外にも、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。本格反転まで、まだまだ時間がかかることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均は、米国主要企業の決算発表次第で上下しているようです。日本企業の3月期決算発表が本格化する今月末までは、この状態が続きそうです。ドル換算チャートでは、一目均衡表の雲の上に在り、今日の高値で2月高値に並びましたが、上昇トレンドの確認の為にはもう一段の上昇が欲しいところでしす。
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