[市況]
3日のNYSEとNASDAQが上昇しましたが、日経平均は100円安く寄りつき、前場は狭いレンジの動きで、後場に一時高くなる場面もありましたが、結局96円安で引けました。外人は510万株の売り越しでしたが、出来高は今日も18.4億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を縮小しました。、個別銘柄は"買い"有利な状況ですが、ピーク・アウト感が出てきました。
3日の米国株式市場では新規失業保険申請件数が40万7000件と市場予想(37万件)を大きく上回り、2005年9月以来の高水準となったことが嫌気され、売り先行で始まったものの、3月の非製造業景況感指数が市場予想に反して改善したことから、下値を売り込む動きは限られたようです。
4日の日本市場では週末で持ち高調整の売りが出やすいうえに、前日までの3日続伸で860円上昇した反動と3月の米雇用統計の発表を前にして、利益確定売りに押されて下落しました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の200円下までに拡大、総合乖離率は-12.5%とマイナス幅が拡大、200日線との乖離率も-14.6%とマイナス幅が拡大しました。3つとも依然マイナスで、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.3ポイントと拡大しました。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が7.2ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は拡大しました。
NY Dowは75日線の上に在りますが一目均衡表の雲の中で足踏みしています。あと120ドルでボリンジャーバンド+2σに到達します。NasdaqとS&P500は昨日の高値で75日線とボリンジャーバンド+2σにほぼ到達しましたので、この辺でピーク・アウトしてもおかしくありません。一方、日経平均は一目均衡表の雲の下限、75日線とボリンジャーバンド+2σにあと200円と複数の節目にかなり接近しています。跳ね返されるかどうか正念場となっています。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場は好悪材料が両方出たことと週末の雇用統計発表待ちでここ2日は膠着状態が続きました。発表後にどう動くかで、目先の日経平均に影響しそうですが、たとえプラスに動いたとしても、今月中旬以降に控えている金融機関の1-3月期の決算発表が終わるまでは安心できません。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、本格反転まで、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均はドル換算チャートでは75日線を抜き、さらに一目均衡表の雲を抜けるチャンスが到来していますが、ボリンジャーバンド+2σラインが接近しており、短期テクニカル指標も目先のピークを示すものが多く、日柄的にもそろそろ、戻り待ちの売りが出そうな時期です。
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