[市況]
24日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は50円ほど高く寄りつき、その後も上昇、終日堅調な動きとなり、結局322円高で引けました。外人は160万株の買い越しとなり、出来高は18.4億株と低水準ながら増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が大幅に拡大しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
24日の米国株式市場では、3月の新築住宅販売件数が市場予想を大きく下回り、スターバックスが市場予想を下回る一株利益見通しを発表したことで、午前中は下げましたが、新規失業保険申請件数が市場予想を大きく下回り、相場の支援材料となり、アップル、クアルコム、フォード・モーター、ダウ・ケミカルなどが予想を上回る決算を発表したことで反転上昇したようです。
25日の日本市場では、国内の消費者物価の上昇やFRBが来週のFOMCを最後に当面、利下げ休止するとの観測が広がったことで債券相場が急落し、株式市場への資金シフトが株価の一段高に繋がったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では一時雲の上に抜け、総合乖離率は+1.3%とプラスに転換、200日線との乖離率も-8.9%とマイナス幅は縮小しました。3つの内2つがプラスとなりましたので、中期的トレンドは、"青信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントに縮小し、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差も、日本市場が4.8ポイント下回わるレベルに縮小して、売られ過ぎ感はかなり改善しました。
NY Dowは25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出て、2月高値も大きく抜きました。11700-12700の持ち合いを脱し上昇トレンドを確認しました。今後は12700が下値抵抗線となる可能性が大と思います。Nasdaqも、25日線、75日線と2月の高値を抜き、一目均衡表の雲の上に抜けました。一方、日経平均は、2月の高値はまだですが、25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出ました。しかし、日米とも25日線との乖離率は警戒域に入りましたので、目先は一服しそうです。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では住宅販売は低調で問題がありますが、企業の好決算が消してしまった格好です。金融機関の1-3月期の決算発表は相場への影響は限定的で、主要企業の好業績発表には敏感に反応する傾向は変わっていないようです。主要の金融機関の業績発表を問題なく通過しましたので、とりあえず信用収縮懸念は後退するものと思われます。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、金融機関の破綻懸念は完全に払拭された訳ではありません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われますが、米国政府はこの為の検討に2ヶ月の猶予を得たと考えられます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。
[今後の見通し]
日本市場はFOMCの利下げ完了を先取りした動きとなりました。今後の中期的な株価を占う上で、30日のFOMC後の声明の内容が重要となりました。一方、目先は日本企業の3月期決算発表が始まりましたので、日本市場独自の動きも出てきそうです。日米とも目先は警戒域に入りましたので、悪材料に敏感な時期と思われますが、25日線が75日線を抜き、上昇に転換してきましたので、下げても25日線までと思われます。
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