[市況]
15日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は140円ほど高く寄りつき、前場は、一時前日比230円ほど高くなる場面もありましたが、その後は若干下げ、結局155円高で引けました。出来高は17.9億株と低水準ながら、外人は500万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラスに転換しました。個別銘柄は若干"買い"が有利な状態となりました。
15日の米国株式市場では、4月のニューヨーク連銀景気指数は0.6と前月の-22.2から大きく改善。マイナスを見ていた市場予想も大きく上回り、これを好感した買いが朝方は入ったようです。J&Jや米銀上位USバンコープなどの決算が市場予想を上回ったことも支援材料となりました。
16日の日本市場では、米株式相場の上昇や米半導体大手インテルによる好業績発表などを手掛かりに、大手銀行やハイテクなど主力株が買われました。もっとも買い一巡後の上値は重く、後場は高い水準ながら膠着感の強い展開でした。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の100円下まで接近、総合乖離率は-13.4%までマイナス幅が縮小、200日線との乖離率も-14.5%までマイナス幅が縮小しました。3つとも依然マイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が4.4ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は減少傾向です。
NY Dowは昨日の上昇で25日線に接近し、一目均衡表の雲の中に入りました。2月高値を抜けませんでしたので、11700-12700の持ち合いの中、下落に向かう動きの途中は変わりません。Nasdaqは、まだ一目均衡表の雲の下に在り、9日線を割り、25日線の下に在ります。一方、日経平均は、今日の上昇でも、まだ一目均衡表の雲の下に在り、9日線も抜けませんでしたが、25日線の上には在ります。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では景気指数の改善と主要企業の好業績発表で上昇しました。しばらく、決算発表に一喜一憂しそうです。焦点はやはり、今週から始まる金融機関の1-3月期の決算発表と思いますので、これが終わるまでは安心できません。予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、これ以上破綻する金融機関がでれば、ベアー・スターンズのスキーム以外にも、公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。本格反転まで、まだまだ時間がかかることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均は、やはり米国主要企業の決算発表次第で上下しているようです。日本企業の3月期決算発表が本格化する今月末までは、この状態が続きそうです。ここ数日の出来高の少なさを見ると、日本市場では積極的に売り込む向きも少ないようです。ドル換算チャートでは、一目均衡表の雲の上に再び抜けました。75日線の上に在り、短期上昇トレンドはまだ崩れていません。あと2ドル上昇すれば2月高値を抜き上昇トレンドが確認されます。
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