[市況]
28日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は110円ほど安く寄りつき、前場は徐々に下落幅を拡大、後場は一段安となり、結局294円安で引けました。出来高は今日も18.4億株と低水準で、外人は440万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を縮小しましたが、個別銘柄はまだ"買い"有利な状況が続いています。
28日の米国株式市場では早朝発表の2月の個人消費支出が前月比0.1%増と市場予想(0.1%減)を上回ったほか、物価指標であるコアPCEデフレーターが前年同月比2.0%上昇とFRBの想定範囲内に収まったことも有り、上昇して始まりましたが、JCペニーの業績下方修正発表や銀行の配当削減予想が出て小売、金融株が売られ、指数も下落して終了しました。
31日の日本市場では2月の鉱工業生産動向が市場予想平均(2.2%低下)ほど悪化しなかったことから指数はシカゴ清算値を上回って寄り付いたものの、前週末に大幅高した反動で売りが先行。その後も反発力は鈍く、午後に入って先物の持ち高を減らす売りが膨らんで下げ幅を広げたようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の800円下までに拡大、総合乖離率は-31.6%とマイナス幅が拡大、200日線との乖離率も-20.0%とマイナス幅が拡大しました。3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントと変化はありません。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が8.4ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は増加しました。
NY Dowは先週末の下げで、25日線を割り、一目均衡表の雲の下に抜けてしまいました。これ以上下げると転換線も割ってしまいますので、正念場となったようです。NasdaqとS&P500とも、9日線、25日線を割ってしまいました。一方、日経平均は終値でなんとか9日線を割らずにすみましたが、明日割ってしまうと目先下げる確率が高くなります。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場は先週末も小売業の業績悪化と証券会社による大手銀行の配当削減観測が嫌気されて下落しました。今週も業績見通しや重要経済指標発表が続きますので、これに影響されそうです。4日連続下げましたので、そろそろリバウウドもありそうですが、4月中旬以降にはシティーなど投資銀行の決算控えていますので、予想を超える評価損による破綻懸念は残っていますので、一段安も十分有り得ます。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、モノラインや金融機関への公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、本格反転まで、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均は当面の目標である25日平均線にほぼ到達して下落しましたので、イヤな感じとなりました。明日以降に9日平均線を割ってしまうと、投資スタンスを"売り"に変更することも考えなければなりません。今夜の米市場と明日の日本市場の動きに注目したいと思います。
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