[市況]
27日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は10円ほど安く寄りつき、前場は一時前日比100円ほど安くなる場面がありましたが、後場は急速に上昇に転じ、結局215円高で引けました。出来高は今日も18.0億株と低水準でしたが、外人は260万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大しました。個別銘柄は"買い"有利な状況が続いています。
27日の米国株式市場では新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、雇用悪化懸念がやや薄らぎ、10―12月期の米実質GDP確報値は前期比年率0.6%増で改定値と同じで、内訳で個人消費が改善など経済指標は株価の下支え要因となったものの、オラクル決算で売上高が予想を下回り、証券各社のアナリストが大手・中堅銀行の利益見通しを引き下げたことが嫌気されハイテク、金融株が売れれました。
28日の日本市場では米株安や朝方発表の家計調査やCPIで消費の伸び悩みと物価上昇が明らかになったことで前場は軟調な展開でしたが、後場に入り、上海株の久々の上昇もあり、先物主導で大きく上昇しました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の500円下までに拡大、総合乖離率は-26.2%とマイナス幅が縮小、200日線との乖離率も-18.3%とマイナス幅は縮小しましたが、3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントと変化はありません。一方、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が7.4ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は大分改善しました。
NY Dowは昨日の下げでも、かろうじて一目均衡表の雲の中に有ります。引き続き雲を抜けるか、2月の高値と75日線を抜けるかに注目したいと思います。Nasdaqは、かろうじて、25日線の上にありますが、S&P500は25日線を割ってしまいました。一方、日経平均はやっと、ほぼ25日線に達しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場は昨日も経済指標の悪化と証券アナリストの大手金融機関の利益下方修正の発表が有り嫌気されて下落しました。しかし、まだ、ここ数日の上昇の調整と云う面が強いように思います。もう一段のドル高とならなければ、日本市場の短期上昇トレンドは継続しそうです。しかし、4月中旬以降シティーなど投資銀行の決算控えていますので、予想を超える評価損による破綻懸念は残っています。金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらないと言うことは日本の過去が実証済みです。今後も不動産下落は続きそうですので、モノラインや金融機関への公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。しかし、投入のタイミングが非常に重要ですので、米国政府や議会も投入の前提条件やタイミングを考えているものと思われます。条件が整わない場合は、まだまだ時間が掛ることも十分考えられます。
[今後の見通し]
日経平均は当面の目標である25日平均線にほぼ到達しました。日柄から見ると、あと数日は上昇する地合いですが、ここからは売り転換のタイミングを計りながら、付いてゆくと言う投資スタンスが重要と思います。
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