[ファンダメンタルの現状認識]
2008年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は+1.3ポイントとなり、日本市場の割安度は米国市場との比較で0.2ポイント拡大しました。200日線乖離率差は-10.2ポイントとなり先週よりも4.0ポイント割安度は拡大しました。日本市場の割安感(売られ過ぎ度)は再び拡大してきましたがドル・ベースで見るとそうでもない、という点も考慮が必要です。一方、日本企業の四半期決算発表もほぼ終わり通期予想増益率は、日経225採用銘柄平均は+2.0%とかなり減少しました。ここからは米金融機関の決算発表に注目する必要があります。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場は先週、欧米中央銀行の協調資金供給で株価は戻したものの、相次ぐ金融機関の破綻懸念や経済指標悪化で週末に大きく下げました。
②第三四半期決算発表の結果、日経225採用銘柄の通期予想増益率は2ヶ月前の+6.8%から+2.0%に減少しています。
③長期金利は多少低下傾向で、金利差は2.2%は変化はないものの為替は1ドル99円に急騰しています。
④日米の2008年のGDP伸び率予測値は修正され日本が2.1%→1.6%となり、米国は2.5%→2.0%となりましたので、この面では日本市場にとって0.4ポイント弱気材料です。OECD合計も2.7%→2.3%に下方修正され世界的にも景気減速が予想されています。
⑤3月第1週は大幅売り越しでしたが、3月第2週も売り越し額が予想されます。週末に米国市場が大幅下落しましたので、今週も週初は大幅売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は③⑤が弱気材料でした。今週も①③⑤とFOMCの金利発表に振り回される展開が予想されます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲のかなり下に在り、200日移動平均線乖離率は-23.1となり先週と比較してマイナス幅は2.7ポイント拡大、総合乖離率も-44.6%とマイナス幅が8.2ポイント拡大しました。3つとも大幅マイナスですので、中期上昇トレンドは、"赤信号"が続いています。1月の安値を更新してしまいましたので短期トレンドにも反転の兆しは見えませんが、ドル換算チャートではまだ1月の安値は更新しおらず、むしろ上昇基調を維持している点はかすかに希望が持てる点です。
[今週の見通し]
先週末のシカゴの日経平均先物は12050円で終わっていますので、週初は一段安く始まりそうですが、今週の注目点は日経平均が12000円で踏みとどまることができるかどうか、FRBの利下げで米国市場の下落を止めることができるかです。日柄としては今週中にボトムを付ける可能性が高いように思います。
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