[市況]
11日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は180円ほど高く寄りつき、前場は一時前日比400円ほど高くなる場面がありましたが、その後は下落に転じ、結局202円高で引けました。出来高は20.4億株と低水準ながら、外人は8日ぶりに610万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は-19とマイナス幅は大幅に減少して、個別銘柄は売り買いが拮抗しています。
11日の米国株式市場ではFRBが取引開始前に、海外中央銀行に対するドル資金の融通枠拡大とRMBSを担保に米国債を貸し出す金融機関向けの新たな資金繰り支援策を発表した。このところ格付けの高いRMBSなどの価格が急落していたため、FRBの資金供給策で市場心理が好転。金融株が大幅高となり、相場全体を引き上げました。12日の日本市場では朝方は米国市場の上昇を受けて、売り方の買戻しから大幅に上昇して始まったものの、前日の反動で今晩の米市場が下落するのではないかとの警戒感が出たようですが、この2日の上昇率ではほぼ同じですので、昨日の上昇分も入れて考えれば妥当な水準とも考えられます。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の800円下に在り、総合乖離率は-32.5%となりマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-19.5%に縮小したものの、3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は米国企業決算を受けて年度替りとなり、0.9ポイントとかなり縮まりました。テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が7.1ポイント下回わり、売られ過ぎ感は拡大しました。米国市場のチャートはNasdaqは1月安値を更新してしまいましたが、Dowは1月安値を更新することなくリバウンドしましたが、まだ9日平均線を抜いていませんので安心はできません。
[ファンダメンタルの現状認識]
昨日の日経平均はやはり、米国市場の反転上昇を先読みした動きでした。しかし、FRBの緊急利下げや、モノラインへの公的資金注入という強力な材料ではなく、金融市場への流動性供給でしたので、株式市場への影響は長続きしない可能性もあります。
[今後の見通し]
日経平均は1月の安値を更新してしまいましたので、今日の上昇でもまだ安心はできませんが、強気材料が出たこと、サイコロジカルラインは25%まで一旦低下した点、安値更新銘柄数が1000を越えた点、など目先の下げ過ぎを示していましたので、目先は25日線までは上昇する可能性が高いと思います。
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