[市況]
24日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は160円ほど高く寄りつき、前場は若干安くなる場面がありましたが、後場にかけて上昇、引け際に高下したものの、結局265円高で引けました。出来高は19.1億株と最低水準ながら、外人は290万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大し、個別銘柄は"買い"有利な状況が続いています。
24日の米国株式市場はJPモルガン・チェースが、ベアーの買収価格を一株当たり約2ドルから約10ドルに引き上げると発表したことと、2月の中古住宅販売件数が前月比2.9%増と、市場予想(0.8%減)に反して増加したことを市場は好感し大幅上昇しました。
25日の日本市場では前日の米市場の大幅上昇や円高一服が買い安心感につながり、3月期末の配当権利付き最終売買日にあたり、権利確保を目的とした投資家の買いも支援材料となったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の600円下までに改善、総合乖離率は-29.6%となりマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-19.2%とマイナス幅は縮小しましたが、3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は0.9ポイントに縮小しました。テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が10.0ポイント下回わり、この面の売られ過ぎ感は若干増大しました。
NY Dowは2月の高値と75日線に接近してきました。次は一目均衡表の雲をぬけるかどうかに注目したいと思います。NasdaqとS&P500も25日線を大きく抜いて短期上昇トレンド入りしましたが、2月の高値を抜くには一段高が必要です。日経平均は25日線にまだ届きません。
[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場はJPモルガン・チェースが、有力株主と従業員の同意を得やすくする為に、ベアーの買収価格を一株当たり約2ドルから約10ドルに引き上げるたことを好感した動きとなりました。このままドル安一服が続けば、日本市場の短期上昇トレンドは継続しそうです。しかし、4月中旬以降シティーなど投資銀行の決算控えていますので、予想を超える評価損による破綻懸念は残っています。"金融機関のバランスシートが傷んでいるときはいくら金利を下げても信用収縮はとまらない"と言うことは日本の過去が実証済みですので、今後も不動産下落が続けば、モノラインや金融機関への公的資金注入という強力な材料しか打開策はなさそうです。何時行われるかが市場の最大の関心事となってきました。
[今後の見通し]
日経平均はあと250円で25日平均線に到達と云う水準まできました。経済指標の発表内容や米国市場の動きによっては安くなる日もあるとは思いますが、4月上旬までは押し目は積極的に買って良いように思います。
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