16日のNYSEとNASDAQが小幅下落でしたが、日経平均は前日比90円ほど高く寄りつき前場は値を保っていましたが、後場下げに転じ、昨年来安値を更新したものの、その後急反発し、結局278円高で引けました。外人は1490万株の売り越しながら、出来高は28.0億株と高水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は-719とマイナス幅が縮小しました。
16日の米国株式市場市場はJPモルガン・チェースの四半期決算は、サブプライムローン関連の損失が懸念したほどではないと受け止められ、金融株が買われ、米政府の景気刺激策が近いとの観測も買い材料になったようですが、四半期決算が予想を下回ったインテルが急落し、ハイテク株が売られ、原油下落でエネルギー株も軟調でした。
日本市場では為替が円安・ドル高に振れたため、昨日まで下落が目立った不動産株・大型優良株中心に幅広い銘柄が自律反発。後場にはアジア株安を背景に主力株に見切り売りが出て、一時は節目の13500円を割り込んだものの、値ごろ感からの買いが根強く、すぐに切り返しました。テクニカル上では自律反発しても良い水準ですし、ここ数日追い証発生に伴う処分売りが出ていたようですので、一旦は昨日がセリング・クライマックスであったようです。しかし、肝心の米国市場は今のところセリング・クライマックス示すには至っていませんし、政府や日銀による対策もまだ見えません。本格反転の環境はまだ整ってはいないと見た方がよさそうです。
一目均衡表では雲の1600円下に在り、総合乖離率は-39.3%とマイナス幅は縮小したものの大きく、200日線との乖離率も-17.8%とマイナス幅が縮小したものの大きいままです。3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、赤信号のままです。一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は拡大していますし、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が9.5ポイント下回るところまで縮小しましたが、まだまだ下げすぎです。個人と政府・日銀に期待できないとなると、やはり、今後も米国の景気動向と米国市場の動きと外人買の動向で、ここからの方向を見極めるしかありません。
米国市場では、一昨日から米企業の決算発表が始まったばかりで、月末にはFRBの政策金利決定会合が控えており、それまでは大きくは反発しずらいと思われますので、日本市場は1月中は米国市場上昇の恩恵も望めそうにありません。今回の下げ幅が昨年10月-11月の下げと同程度とした場合の下値の目安13300円が意識されます。この水準までまだ下げるのかどうか注目したいと思います。今日の上昇はまだ本物とは思えません。
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