2008年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.2ポイントとなり、日本市場の割安度は先週より0.2ポイント増加しました。200日線乖離率差も-9.5ポイントとなり先週よりも0.5ポイント割安度は増加しました。今年に入ってからも日本売りが続いています。
一方、通期予想増益率は、日経225採用銘柄平均は+5.6%と増益率は減少傾向にあります。ここからは今月から始まる米国企業の決算発表に注目する必要があります。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場は小売業の業績後退やカード会社、大手金融機関の損失拡大などが悪材料が出て週末にかけて急落しました。
②中間決算発表の結果、日経225採用銘柄の通期予想増益率は1ヶ月前の+6.8%から+5.6%に減少しました。
③長期金利は下降して、金利差は2.4%と先週に比べ縮小したままで、円高となっています。
④日米の2008年のGDP伸び率予測値は修正され日本が2.1%→1.6%となり、米国は2.5%→2.0%となりましたので、この面では日本市場にとって0.4ポイント弱気材料です。OECD合計も2.7%→2.3%に下方修正され世界的にも景気減速が予想されています。
⑤12月第4週は買い越しでしたが。年初は売り越しに転じていると思われます。
5つのポイントのうち先週は①③④⑤が弱気材料でした。今週も①③④⑤と米国企業の業績に左右される展開が予想されます。日経平均は先週も昨年の安値を更新する弱い動きとなってしまいました。日本市場の下落の原因はサブプライム問題の景気に与える影響だけでなく、日本市場の魅力のなさが問題になりつつあります。
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲のかなり下に在り、200日移動平均線乖離率は先週と比較し-16.1%とマイナス幅は大幅拡大、総合乖離率も-35.3%とマイナス幅が大幅拡大しています。3つとも大幅マイナスですので、中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。
日経平均は大発会で大陰線を出し、昨年来安値を更新し、短期的にも下降トレンド入りしてしまいました。週初も好材料は見当たりません、多くのオシレータ系のテクニカル指標は下げ過ぎを示していますが、それ以上に投資マインドは悪化しています。一昨年の6/14の安値14046円を割ってしまうとチャートからは12000円まで節目はなくなってしまいます。しかし、目先の下値の目途は昨年10月-11月の下げと同程度とすると13300円ぐらいが想定されます。