日経平均の予想: <20090625>日経平均の今後の見通し

Thursday, June 25, 2009

<20090625>日経平均の今後の見通し

[市況]
24日の、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しましたが、25日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付き、その後も堅調な動きとなり、後場に320円高と一段高になる場面がありましたが、引けにかけて売られ、最終的に220円高で終わりました。日経平均は4205高で引け、出来高は22.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は60万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態となりました。

24日の米国市場では、5月の米耐久財受注額が市場予想に反して増加したため、高く始まりましたが、FRBの金融政策維持を受けた金利高とボーイングの下落が影響しNY Dowは小幅安に転じて終えました。市場予想を上回る四半期決算を発表したオラクルが大きく上げたことで、ハイテク株が堅調でNasdaqは上昇しました。
25日の日本市場では、NY Dowが小幅に下落し、円安ぎみではあったものの好材料がさほど多くない中で急伸したのは、25日移動平均超えを狙った仕掛け的な先物買いが入ったことが主要因のようです。世界景気の先行き不安を背景に売っていた投資家が買い戻しを迫られた為もありそうです。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線の上にあり、9日線、25日線を上回りましたので、短期トレンドは赤信号から青信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+18.9%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は+8.5%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.8ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が拡大しました。
NYDowは75日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在りますが200日線、25日線、9日線の下に在ります。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.8イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標や景気指標は好悪混在していまが、世界銀行の世界の実質GDPが-1.7%から-2.9%への下方修正は市場に大きなインパクトを与えました。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米金融機関の公的資金返済や規制強化の動きは健全化の動きとしては評価できるものの、貸付の抑制につながる懸念から景気にはマイナスとの市場の見方が主流です。米国債の入札が続きますので、長期金利の動向にも注目が集まりそうです。FOMCの結果で若干長期金利は上昇しましたが、大きな影響はありませんでした。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は24日、若干上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.04ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは41.8となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowが下落したにも関わらず大幅上昇しました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.9%(370円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が大幅に拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-+40円~+470円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線の、25日線を上回りました。プレミアムはプラス幅がかなり大きくなっていますので、明日は為替に変化がなければ米国市場の動きより下振れする可能性が高まりました。
日本市場の短期トレンドは青信号となりました、調整局面のから脱却の可能性が出てきました。ただ、米国市場は赤信号のままですので、米国市場の大幅上昇が前提と考えられます。月曜日の高値9887円も抜けませんでしたので、明日これを抜き、週足が陽線となることが必要と思われます。


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