日経平均の予想: <20090618>日経平均の今後の見通し

Thursday, June 18, 2009

<20090618>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日の、NYDowは小幅下落、NASDAQは上昇したことを受けて、18日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付き、その後も軟調な動きが続き、一時180円安となる場面もありました。引けにかけて戻し、最終的に100円安で終わりました。日経平均は137円安で引け、出来高は24.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は810万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感があります。

17日の米国市場では、S&Pが18の金融機関の格付け引き下げを発表したことや、オバマ米大統領が金融規制改革案を発表したことで収益への懸念が出て、金融株安につながりました。一方、値ごろ感からの買いからハイテク株は比較的、底堅い動きとなり、原油が上昇する場面では株もつれ高するなど、相場はもみ合う場面が多くありました。
18日の日本市場では、欧州など海外株式市場の上値が重かったことに加え、円が95円台に上昇し、輸出関連の主力株に売りが広がりました。GSユアサが朝高後に利益確定の売りで下げるなど、個人投資家による個別銘柄のテーマ物色に対する息切れも意識され、日経平均は軟調な展開が続きました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+17.9%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+6.6%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.1ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは75日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在りますが200日線、9日線をの下に在り、25日線も下回りました。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.8イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。景気指標は前月からは悪化しています。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米金融機関の公的資金返済の動きは健全化の動きとしては評価できるものの、貸付の抑制につながる懸念から景気にはマイナスです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は17日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.08ル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは40.9となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、プレミアムはプラス幅が拡大していましたので、円高も重なり、米国市場の動きより下振れしました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.3%(220円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が若干縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-50円~+270円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。
日米とも引き続き短期的には黄信号です。昨日の日本市場の想定外の強い動きは続きませんでした。円高もあり、プレミアムはまだプラス幅が高水準ですので、明日以降も円高傾向が続けば米国市場の動きより下振れする可能性が大きいと思われます。日経平均は9日線の下に在りますので、目先は引き続き調整局面と考えられます。当面の下値の目途は25日線近辺の9600円と見ておけば良いと思いますが、昨年の3月安、6月高との類似性を考慮すると、調整は長引く可能性も意識しておくべきと思います。


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