日経平均の予想: <20090607>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, June 07, 2009

<20090607>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場はGMの破産法の適用申請という重大イベントを波乱なく通過した安心感に加え、経済指標が予想以上に改善するなど、全般的に堅調でした。今週は、長期金利や原油相場をにらんだ神経質な展開となりそうです。一方、中長期的には、世界同時不況と、不動産価格の下げによる信用収縮傾向は今後も続くと思われます。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は3.6ポイント割高となりました。先週と比べ割高度が0.2ポイント縮小しました。3月度決算発表がほぼ終了し、日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは41.6となりました。S&P500のPERが16.0と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ることが割高の原因です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は経済指標改善などから上昇しました、今週は長期金利や商品市況に左右される展開となりそうです。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.1%となっています。
③長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は2.0-2.4%と拡大し、為替は95-98円台と円安方向に変化しました。今週も、95-99円台が想定されます。
④今年3月末に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-6.6%となり、米国は-4.0%になりましたので、この面では日本市場にとって2.6ポイント弱気材料となりました。
⑤外人は5月4週は買い越しでした。6月1週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越し傾向が予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が強気材料でした。今週も①⑤と為替がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、3.0ポイント割安となり、先週比1.7ポイント割安方向に動きました。一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は-+5.6%となり先週と比較してプラス幅は3.5ポイント拡大し、総合乖離率は+25.1%となりプラス幅が拡大しました。3つともにプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在り、短期的にも"青黄信号"です。
米国市場ではNY Dowは25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲の上に在り、25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週のNY Dowも200日線を抜き、日米ともに短期・中期トレンドとも青信号点灯となりました。日米ともに短期トレンドは上昇トレンドの中に在ると考えてよさそうです。目先の過熱感もさほどなく、米国市場と比べた割高感も有りません。先週末に大きく円安に振れましたので、週初は輸出関連株の上昇が見込めます。今週の日経平均は10000円にチャレンジしそうです。ただ、出来高が低水準な点とSQ週である点は要注意です。


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