日経平均の予想: <20090616>日経平均の今後の見通し

Tuesday, June 16, 2009

<20090616>日経平均の今後の見通し

[市況]
15日の、NYDowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、16日の日経平均先物は、前日比130円安で寄り付きました。その後も終日下落は続き、最終的に270円安で終わりました。日経平均は286円安で引け、寄り付き前の外国人は790万株の売り越しで、出来高は26.5億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が大幅に縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感があります。

15日の米国市場では、6月のニューヨーク連銀景気指数が前月から悪化し、市場予想も下回り、ハイテクや景気敏感株が売られました。ドル安で原油が下落し、素材や石油関連株などにも売りが膨らみ、株式相場の重しとなりました。NY Dowはこのところの上昇から、利益確定売りが出やすい面もあったようです。
16日の日本市場では、米市場の下落を嫌気した売りで始まりました。その後も円が上昇したことやアジアの主要な株式市場が下落したことで、相場の売りに拍車がかかりました。日経平均は前週末に1万円台を回復したことで、短期的な過熱感もあり、主力株を中心に当面の利益確定する動きが広がりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は+20.4%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+6.8%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.0ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは75日線、25日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在りますが200日線、9日線を下回りました。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.8イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。景気指数は前月からは悪化しました。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米国政府の負債拡大懸念から長期金利の上昇が懸念材料となっていますが、直近は落ち着きをとりもどしました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退していますが、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は15日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.37ル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは41.7となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高に振れたこともあり、米国市場の下落率以上に下げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.7%(70円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラスとなりました。プレミアム値は、ここ1週間、-90円~+220円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。
日米とも短期的に黄信号となりましたので、調整局面入りとなったようです。プレミアムはプラスになったものの小幅ですので、目先は米国市場に追随する動きが予想されます。一方、騰落レイシオ、25日線との乖離率、総合乖離率など過熱感はなくなりました。目先の下値の目途は25日線近辺の9600円と見ておけば良いと思いますが、昨年の3月安、6月高との類似性を考慮すると、調整は続く可能性を意識しておくべきと思います。


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