[市況]
12日の、NYDowは上昇、NASDAQは小幅下落しましたが、15日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付きました。直後に前日同値まで戻しましたが、その後は軟調な動きとなり、最終的に100円安で終わりました。日経平均は96円安で引け、寄り付き前の外国人は720万株の買い越しで、出来高は25.0億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感があります。
12日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が前週から減少し予想を下回ったことや、米30年物国債入札が好調な結果となったことが支援材料となり、NY Dowの上げ幅は130ドルを上回る場面もありましたが、取引終了にかけてやや売り優勢となり伸び悩みました
15日の日本市場では、前週末に1万円を回復したことから、電機や精密など主力株に利益確定売りがでたことや、アジアの主要な株価が軟調に推移したことも相場の重しになりました。後場に入ると自動車株が一段安となり、日経平均は100円を超えて下げる場面もありました。一方、景気の底入れ期待は根強く小売やその他金融、陸運など出遅れ感のある内需関連株への物色が続き相場を下支えしました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+30.3%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+9.7%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.5ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQも、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.7イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米国政府の負債拡大懸念から長期金利の上昇が懸念材料となっていますが、直近は落ち着きをとりもどしました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退していますが、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は12日、若干下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.47ル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは42.8となりました。PBRは1.3となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、プレミアムがプラス方向に幅が大きくなっていましたので、米国市場の上昇のも関わらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%(40円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナスとなりました。プレミアム値は、ここ1週間、-190円~+220円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線の上に在ります。
日米とも短期的にも中期的にも青信号が点灯していますので、上昇トレンドが継続しています。今日の下落でプレミアムはなくなりましたので、目先は米国市場に追随する動きが予想されます。一方、騰落レイシオ、25日線との乖離率、総合乖離率など過熱感は緩和されたもののまだ警戒水域です。外人買いはあるものの出来高が減少した点が気になります。出来高が増加しないと、目先の調整は続きそうです。
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