日経平均の予想: <20090619>日経平均の今後の見通し

Friday, June 19, 2009

<20090619>日経平均の今後の見通し

[市況]
18日の、NYDowは上昇しNASDAQは小幅下落したことを受けて、19日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付き、前場に100円高まで買われる場面がありましたが、後場初めにかけて30円安まで売られました。その後は小動きとなりましたが、引けにかけて戻し、最終的に40円高で終わりました。日経平均は82円高で引け、出来高は24.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は300万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感があります。

18日の米国市場では、NY Dowは前日までに3.4%下げており、自律反発しやすい環境の中、6月のフィラデルフィア連銀景気指数が市場予想以上に改善したことや、週間の米失業保険受給者の総数が前週に比べて減少するなど、景気の底入れ期待が出て、金融株を中心に買いが入りました。ただ、建設機械や小売の一部企業の業績懸念が出て、売りに押される銘柄も目立ち、株価の上値を抑えました。Nasdaqは小幅に反落しました。
19日の日本市場では、NY Dowが4営業日ぶりに反発したことや、円が96円台半ばまで円安となったことで、輸出株が買われ、投資家心理がやや改善しました。一方、ここまでの主役だったGSユアサや明電舎など電池関連銘柄の一角が大幅下落するなど、利益確定売りも目立ちました。結局は自律反発狙いの買いが終日優勢だったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+20.2%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は+7.7%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.2ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しほぼ均衡しています。
NYDowは75日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在りますが200日線、9日線をの下に在り、25日線まで戻しました。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.7イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標や景気指標は好悪混在しています。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米金融機関の公的資金返済や規制強化の動きは健全化の動きとしては評価できるものの、貸付の抑制につながる懸念から景気にはマイナスとの市場の見方が主流です。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は18日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.13ル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは41.5となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円安も重なり、NY Dowと同程度上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%(110円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-50円~+270円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。
日米とも引き続き短期的には黄信号です。今日は円安分プレミアムが縮小した感じです。プレミアムはまだプラス水準ですので、明日以降も円に変化がなければ米国市場の動きより多少下振れする可能性があります。日経平均は9日線の下に在りますので、目先は引き続き調整局面と考えられます。当面の下値の目途は25日線近辺の9600円とのシナリオを変える必要はないと思われます。昨年の3月安、6月高との類似性を考慮すると、さらに調整は長引く可能性も意識しておくべきと思います。


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