[市況]
3日の、NYDowと、NASDAQが下落したことを受けて、4日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付きました。前場に10円安まで下げ幅を縮めましたが、後場に再び下げ、最終的に70円安で終わりました。日経平均は72円安で引け、寄り付き前の外国人は460万株の売り越しで、出来高は25.5億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
3日の米国市場は、原油が下落したことから石油株や素材株が軟調でした。5月のISM非製造業景況感指数は前月から小幅に上昇しましたが、市場予想を下回ったことや、5月の全米雇用リポートでは、前月から減少幅が縮小したものの、減少幅は引き続き大きく、米労働市場の改善は遠いとの観測などから、米景気の改善期待が後退し、NY Dowは一時140ドルほど下落しました。
4日の日本市場では、米市場が5営業日ぶりに下落したことを受けて、主力株に利益確定の売りが出ました。原油が下落するなど商品相場が軟調だったことから、商社など資源関連株もさえない動きでした。GLOBEXで米株価指数先物がさえないこともあり、積極的な買いは見送られました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+22.4%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+4.4%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.5ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が若干拡大しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上にありますが、200日線はまだ下回っています。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、市場では波乱なく通過しました。今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用状況は高止まりで改善の兆しは顕著ではありません。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。今週末の雇用統計の発表に関心が向かうと思われます。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のいたものの、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米国政府の負債拡大懸念から長期金利の上昇が新たな悪材料となる可能性が出てきました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は3日は下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.39ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終盤となり、予想PERは41.1となりました。PBRは1.3となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.7.%(60円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が大幅に縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+20円~+400円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
日米とも短期的に青信号が点灯しています。日本市場は中期的にも青信号が点灯しており、日経平均は短期上昇トレンドに在ります。プレミアムは小さくなりましたので、米国市場との連動制は高くなっています。25日線との乖離率が5%を下回りましたので、過熱感は多少和らぎましたが、調整局面入りした可能性が高く、出来高が高水準とならない場合は25日線(現在9230円)または、200日線(現在9280円)までの調整を想定する必要がありそうです
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