日経平均の予想: <20090621>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, June 21, 2009

<20090621>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は週初は利食い売りが先行しましたが、週後半は景気に敏感な金融株、ハイテク株を中心に下げ渋りました。今週も、住宅関連などの経済指標やFOMCの結果をにらんで方向感が定まらない展開となりそうです。一方、中長期的には、世界的な雇用の悪化と不況、不動産価格の下げによる信用収縮傾向は今後も続く可能性が大と思われます。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は3.9ポイント割高となりました。先週と比べ割高度が0.3ポイント拡大しました。3月度決算発表がほぼ終了し、日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは41.6となりました。S&P500のPERが15.7
と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ることが割高の原因です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は調整局面入りしたものの底堅い展開でした。今週も調整局面の中で小幅もみあいの展開となりそうです。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.0%となっています。
③長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は2.2-2.3%とやや縮小し、為替は95-99円台と円高方向で推移しました。今週も、95-98円台が想定されます。
④今年3月末に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-6.6%となり、米国は-4.0%になりましたので、この面では日本市場にとって2.6ポイント弱気材料となりました。
⑤外人は6月2週は買い越しでした。6月3週は売り越しだった可能性が高く、今週も売り越し傾向が予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が弱気材料でした。今週も①と為替がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、2.7ポイント割安となり、先週比3.1ポイント割安方向に動きました。一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は-+7.7%となり先週と比較してプラス幅は2.9ポイント縮小し、総合乖離率は+20.2%となりプラス幅が縮小しました。3つともにプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますが、9日線を下回り、短期的には"黄信号"です。
米国市場ではNY Dowは25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と25日線上に在ますがり、9日線を下回りましたので、短期的には"黄信号"で中期的にも"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
日米ともに短期トレンドは黄信号が点灯しています。日米ともに短期トレンドは調整局面入りと考えてよさそうです。ただ、テクニカルには過熱感は無くなり、積極的に売る材料にも乏しいことから底堅い展開が予想されます。今週の日経平均は基本的に9830円と9650円のボックス相場と想定できますが、どちらかを抜けば、その方向についてという投資スタンスが良いと思います。米10年債入札に伴う金利の変化も為替に影響しそうですので要注目です。


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