19日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受け、日経平均は前日比180円ほど安く寄り付き、前場は一時300円ほど安くなる場面もありましたが、後場、大きく反騰し、結局168円高で引けました。寄付き前の外人は5020万株の大幅売り越しで、出来高は27.2億株と増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は-1212とマイナス幅が拡大しました。
米国株式市場では、11月の住宅市場指数が前月に続き統計開始以来の最低水準を記録し、住宅建設株が大幅安。ゴールドマン・サックスがシティグループ株を「売り推奨」したことで金融株が軒並み安くなりました。日本市場は前場は外部環境のさらなる悪化を嫌気し、ハイテクや自動車、大手銀行株など主力株は軒並み安の展開でしたが、鉄鋼や商社、海運などの好業績銘柄まできつい下げとなっていたことで、後場に逆にあく抜け感が広がり始め、シカゴ先物でナスダック100指数先物が上昇したことや、米追加利下げへの期待も出て、反発しました。結果的に上昇したとはいえ、一時的に月足の下値抵抗線である15000円を割ってしまいましたので、長期上昇トレンド終焉の危惧は残ります。また、ローソク足も包み陽線とはならず、差込み線と云う中途半端な形で終わりましたので、当面の安値が出たとはまだ言えません。しかし、出来高を伴って上昇した点は評価できます。今夜の米国市場の動きと外人次第では、目先、上昇に転じる可能性も大いにあります。今夜の米国市場はFOMC議事録公表、10月の米住宅着工件数発表、住宅貸付抵当公社フレディマックの四半期決算発表が予定されていますので無事通過できるか注目されます。
一目均衡表では雲の1200円下に在り、総合乖離率は-24.2%とマイナス幅は大きく、200日線との乖離率も-11.2%とマイナス幅が大きいままで、25日線も下向きですので、中期的トレンドは、赤信号のままです。一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は健在ですし、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が11.7ポイント下回り、日本市場は売られ過ぎが続いています。政局と企業業績が改善すれば、この差が埋まるものと思われますが、なかなか、この状況から脱することが出来ません。
現在までの決算発表結果では増益率が6.8%から5.5%に低下しています。中間決算は好調ですが、通期の業績には慎重な見方が多いようです。米国市場の動きと日本の政局の行方や外人の動向で、ここからの方向を見極める必要が有ります。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差が-1000を超えましたので経験的には底値圏ですが、今日の安値が目先の底であったことを確認する為には、明日の終値で昨日の高値15303円を抜くことが最低条件です。
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