日経平均の予想: <20070817>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

Saturday, August 18, 2007

<20070817>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.8ポイントとなり、日本市場の割安感は先週に比べ大幅に増しています。一方、第一四半期の業績発表もピークを過ぎ、今期予想増益率は東証1部平均+17.0%、日経225採用銘柄平均+6.5%と増益基調は確認されました。米国S&P平均の+8.2%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。
先週の急落により日経平均の予想PERは16.1とここ10年では最低水準となり、この面での日本市場の割安感も顕著となりました。
今後、日経平均が上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週も米国市場はサブプライム問題による信用収縮懸念から大きく下落し200日線を割った後、FRBによる公定歩合の0.5%下げで、リバウンドして200日線まで戻しましたので、かろうじて上昇トレンドはキープしています。しかし、反騰には時間が掛かりそうです。過去の経験から先の高値を越えるには3ヶ月程度は必要と思われます。
②日本は、第一四半期の業績発表のピークは過ぎましたので、相場に与える影響は少なくなると思われます。
③急激な円高となりましたが、日米共に資金が株から債権への動きが有り、長期金利は低下しています。また、金利差(3.1%)は拡大しつつあり、キャリートレードの巻き戻しが沈静化すれば、円安ぎみに推移しそうです。
④OECDによる日本の今年のGDP伸び率予測値が2.0%から2.4%に上方修正され、米国は2.4%から2.1%に下方修正され、日本市場の割安感は増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向はここ1ヶ月は大きく売り越しです。先週もヘッジファンドの手仕舞いと見られる大量の売買が有りましたが、今週も続くかどうかを注視する必要があります。
5つのポイントのうち先週は①と⑤が弱気材料でした。今週も米国市場が200日移動平均を割らずに下げ止まるかどうかに注目する必要が有ります。日本市場はテクニカル面では、直近株価は一目均衡表では雲の遥か下となり、200日移動平均線乖離率も-11.7%とマイナス幅は拡大し、総合乖離率も-36.6%とマイナス幅が拡大して、数年に1度あるかないかの水準となり、明らかにオーバーシュートしていることを示しています。
中期上昇トレンドは"赤信号"ですが、逆にここからさらに下落する可能性も小さいと思われます。
今後は、サブプライム問題に端を発した信用収縮が世界の景気に影響するかどうかがカギと思われまが、とりあえずは①の米国市場の展開、⑤の外人買いの復活がキー・ポイントと思われます。
ここからの投資スタンスは、中長期投資では、ヘッジファンドによって叩き売られたバリュー株の絶好の買い場と思われます。
週末の米国株が大幅高となったことから、今週の短期投資スタンスは直近の窓埋めとな16400までのリバウンドを想定した対応が良いように思います。