日経平均の予想: <20091227>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, December 27, 2009

<20091227>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利の中、経済指標の発表は概ね好材料と評価され、先週の株価指標は、年初来高値を更新しました。一方、中長期的には、EU加盟国の財政問題や、米国を中心とする先進国の消費の低迷や雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、12月の米消費者信頼感指数や、10月のS&Pケースシラー住宅価格指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数などが注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が0.4ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは35.8で、S&P500のPERの18.1と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は上昇しました。今週も堅調な展開が予想されます。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.6%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.3-2.5%に拡大し、為替は88から91円台と円安ぎみに推移しました。金利差もそろそろピークアウトしても良い水準ですので、一旦は円高へ反転しそうなレベルですので、今週は、91-88円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+0.7%となり、米国は+0.9%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤12月3週の外人は買い越しでしたが、12月4週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が強気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、8.8ポイント割安となり、先週比0.2ポイント割安幅が縮小しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+9.3%となり先週と比較してプラス幅が拡大し、総合乖離率は+20.1%となりプラス幅が拡大しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的にも"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"青信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の日本市場は、ドル高が続いたことで上昇しました。今週も外国人の参戦が減ることが予想されますので、米国株との連動性は少なくなりそうですが、閑散に売りなしの格言が生き、堅調な展開が予想されます。しかし、日米の金利差は今年8月以来の拡大幅となりましたので、そろそろ円高方向へ転換しても良いタイミングでもあります。円高方向に振れた場合は、下落リスクがありますが、その場合でも下値は限定的と思われます。


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