[市況]
15日、NYDowとNASDAQは下落しました。16日の日経平均先物は、前日比150円高で寄り付きました。前場は60円高まで上げ幅を縮めるた後100円高まで戻しました、後場は寄り付き後に40円高まで上げ幅を縮めた後は徐々に戻し、最終的に前日比110円高で引けました。日経平均は93円高で引け、出来高は27.2億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、210万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
15日の米国市場では、前日の高値更新など高値警戒感に加え、FOMCの結果発表を16日に控えて積極的な買いは見送られました。11月の米鉱工業生産指数や卸売物価指数が前月比で市場予想以上に上昇しましたが、NY連銀景気指数が低下したことから株式相場への影響は限定的でした。
16日の日本市場は、円高一服や銀行の自己資本規制強化の導入時期が遅れるとの報道が材料となり、寄付は買いが優勢となりました。12月7日の戻り高値10204円を突破したものの、一目均衡表の雲上限の10200円前後では利益確定売り圧力も強く、後場に入ると上げ幅を縮小させる場面もありました。大引けにかけては米FOMCの声明文発表を控えて、次第に模様眺めムードが広がりました。
[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+12.6%とプラス幅が拡がり、200日線との乖離率は+7.0%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。NASDAQは、9日線、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.6ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、2.5ポイント拡大しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の小売売上高や、12月の消費者態度指数も市場予想以上となりました。11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では10月の仮契約住宅販売指数が増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数は予想を下回っています。景気指標総じて米国の景気の改善を示しているようです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の新興国債務不履行波及リスクも顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。
世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は15日、下落しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.56ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが34.5、PBRが1.26となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均は260円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+120円~+430円の間で推移しています。日経平均は銀行に対する自己資本規制強化の導入時期が遅れるとの材料に反応し上昇しましたが、一目均衡表の雲の上限10200円で頭を押さえられています。海外の市場はあまり反応していないようです。GLOBEXでも米国市場指数も反応していないようですので、明日は銀行株の反動安も考えられます。今夜の米国市場では、FOMCのコメント、11月の消費者物価、11月の住宅着工件数などが注目されそうです。今後の日経平均の動きとしては、引き続き、一目均衡表の雲の上限10200円の上で推移できるかどうかに注目したいと思います。実現すれば、短期的に一段高が望めそうです
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!
世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート
注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。