日経平均の予想: <20091214>日経平均の今後の見通し

Monday, December 14, 2009

<20091214>日経平均の今後の見通し

[市況]
11日、NYDowは上昇しNASDAQは小幅下落しました。14日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。前場は軟調な展開がつづき、後場に一時100円安まで売られる場面がありましたが、その後切り返し、最終的に前日同値で引けました。日経平均は2円安で引け、出来高は20.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、140万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。

11日の米国市場では、11月の小売売上高が前月比1.3%増と、市場予想の0.7%増を上回ったことや、12月の消費者態度指数が市場予想以上に上昇したことで、個人消費が堅調に推移し、米景気の回復につながるとの期待が広がり株価を支えました。一方、ドルが対ユーロなどで上昇し、商品相場が下落してエネルギーや素材株の上値を抑えたことが相場の弱気材料でした。
14日の日本市場では、12月の日銀短観が好感され、やや高く寄り付きましたが、序盤は前週末の急伸に伴う反動売りが優勢となりました。後場はアジア市場の軟調推移も嫌気され、下げ幅を一時100円近くに拡大させる場面もありました。その後はUAEアブダビによるドバイへの資金支援が好感されて急速に下げ渋りました。ただ、円高推移が重しとなり、積極的な上値追いとはなりませんでした。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+10.9%とプラス幅が縮まり、200日線との乖離率は+6.5%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。NASDAQは、9日線、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.9ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、0.1ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の小売売上高や、12月の消費者態度指数も市場予想以上となりました。11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では10月の仮契約住宅販売指数が増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数は予想を下回っています。景気指標総じて米国の景気の改善を示しているようです。
ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の新興国債務不履行波及リスクも顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は11日、上昇しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.95ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが34.3、PBRが1.25となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高に振れたこともあり、米国市場の上昇にも関わらず上昇しませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均は260円の割高で、割高幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+120円~+430円の間で推移しています。日経平均はドバイの影響で急速に下げ渋りました。米国市場も切り返しが続いています。今夜の米国市場では、ドバイの問題がどの程度影響するかが注目されます。今後の日経平均の動きとしては一目均衡表の雲の上限10200円の上で推移できるかどうかに注目したいと思います。実現すれば、短期的に一段高が望めそうです。


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