日経平均の予想: <20091202>日経平均の今後の見通し

Wednesday, December 02, 2009

<20091202>日経平均の今後の見通し

[市況]
1日、NYDowとNASDAQは上昇しました。2日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付きました。前場は100円高まで買い戻された後前日終値近辺まで売り直されました。後場は小高く推移し、最終的に80円高で引けました。日経平均は36円高で引け、出来高は21.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、740万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。

1日の米国市場では、ドバイの信用不安に対する懸念がひとまず後退したとの見方が買い安心感を誘いました。商品相場の堅調な動きで素材やエネルギー株が上昇したことや、10月の仮契約住宅販売指数が市場予想に反して上昇するなど、経済指標が好調と受け止められたことも相場を支えました。一方、11月のISM製造業景況感指数は53.6と前月から低下し市場予想を下回ったものの、新規受注指数が上昇したことで影響は限定的でした。
2日の日本市場は、直近2日で500円近く上昇した反動から寄付は売り先行で始まりましたが、その後は米市場の堅調推移を改めて好感した買いも入りました。ただ、前場中ごろからは次第に膠着感を強めました。後場もアジア株市場の上昇から買い安心感はあったものの、前日終値を挟んだ模様眺めムードの強い展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下にありますが、9日線の上に在り、短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-3.3%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は+2.3%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下にあり、2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、75日線および一目均衡表の雲を下回っていますが、9日線、25日線の上に在ります。
NYDowは、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあり、9日線を上回りました。NASDAQは、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあり、9日線を上回りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が13.4ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、0.2ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の小売売上高などは、市場予想を上回っています。米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、労働生産性指数は上昇しました。一方、住宅関連では10月の仮契約住宅販売指数が増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月のISM製造業景況感指数や、11月の消費者態度指数は予想を下回り、設備投資も弱さがあります。10月の失業率は10%を超えています。景気指標はまちまちです。
ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、地銀の不良債権問題や、ノンバンク大手CITの破綻の影響も懸念されます。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。加えて、新型インフルエンザの蔓延が欧米やアジアの経済を停滞させるのでは、との懸念も無視できません。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は1日、下落しました(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在4.10ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが33.0、PBRが1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、昨日大幅上昇したこともあり、米国市場の上昇率ほどはに上げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は60円に縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-600円~-40円の間で推移しています。
日経平均は日銀の対応は不十分との認識から小安く寄り付いたものの、さらに積極的に売られることは有りませんでした。引けにかけて円が87円まで安くなったことも若干追い風となったようです。しかし、25日線には届きませんでした。今夜の米国市場は、11月のADP全米雇用報告 ベージュブックなどが注目されそうです。日本市場は短期的にリバウンドが続くと思われますが、目先は25日線(9700円)を超えられるか否かが試金石で注目されます。


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