日経平均の予想: <20091220>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, December 20, 2009

<20091220>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利の中、経済指標の予想以上の発表が続きましたが、先週は、材料出尽くし感で一服しています。一方、中長期的には、EU加盟国の財政問題や、米国を中心とする先進国の消費の低迷や雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、米7-9月GDP改定値、11月耐久財受注、住宅関連指標などが注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が0.6ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは34.5で、S&P500のPERの17.9と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は一服となりました。今週はもみ合いが予想されます。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.6%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.2-2.3%で推移し、為替は88から90円台と円安ぎみに推移しました。そろそろ円高へ反転しそうな環境ですので、今週は、91-88円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+0.7%となり、米国は+0.9%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤12月1週の外人は小幅買い越しでしたが、12月3週も買い越しだった可能性が高く、今週も小幅な買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は③⑤が強気材料でした。今週も①③がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.0ポイント割安となり、先週比割安幅に変化はありませんでした。
一目均衡表では、雲の中に在り、200日移動平均線乖離率は+6.3%となり先週と比較してプラス幅が縮小し、総合乖離率は+11.1%となりプラス幅が縮小しました。2つがプラスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的には"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の日本市場は、日銀と政府の円高、デフレ対策のアナウンスメント効果やドル高ユーロ安、米国株安の影響で一進一退となっています。今週は外国人の参戦が極端に減ることが予想されますので、米国株との連動性は少なくなりそうです。今週の日経平均は、出来高の減少と手がかり材料難から小動きが予想されますが、為替が週末にボリンジャーバンドの-2σの90.8円にタッチしましたので、そろそろ円高方向へ転換しても良いタイミングです。商い薄の中急に円高方向に振れるリスクがあることにも留意しておくことが必要かと思います。


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