日経平均の予想: [2010/06/30]日経平均の今後の見通し

Wednesday, June 30, 2010

[2010/06/30]日経平均の今後の見通し

[市況]
29日の、NYDowとNASDAQは大幅下落しました。30日の日経平均先物は、前日比170円安で寄り付きました。前場は210円安と150円安の間の動きとなりました。後場は190円安と130円安の間の動きとなり、最終的に190円安で終わりました。日経平均は188円安で引け、出来高は18.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、1570万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
29日の米国市場では、米調査会社コンファレンス・ボードが前日夜に中国の4月の景気先行指標を下方修正したことなどから、世界の景気回復への不透明感が改めて高まりました。欧州金融システム不安も根強く、アジア・欧州株式相場が下落したことで、米市場もつれ安して始まりました。午前中ごろに発表された6月の消費者信頼感指数が市場予想を大幅に下回って低下すると売りが加速しました。NYDowは一時326ドル安まで下げ幅を広げました。
30日の日本市場では、米国市場の大幅下落や円高進行を受けて、朝方から売りが優勢となりました。下げ幅は一時220円超へ拡大し、6月9日につけた取引時間中の年初来安値を更新しました。売り一巡後は値頃感もあり、下げ渋る動きとなりましたが、日銀短観や米雇用統計などの重要イベントを控え、模様眺め気分は強く、大引けにかけては下値圏で膠着した動きが続きました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-22.9%とマイナス幅が拡大しました。200日線との乖離率は-8.7%とマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、9日線、25日線、200日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.3ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は2.0ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.03ポイント割安ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、5月の耐久財受注、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、6月の消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の住宅関連指標は好調でしたが、5月の住宅着工件数が予想以下となり、5月の新築住宅販売件数の水準は過去最低で、マイナス幅は過去最大となりました。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+3.8%で予想を上回りました。5月、6月の景気指標はまちまちで、住宅関連指標は悪化しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、世界景気の後退リスクも出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 06月25日 0.5347% → 06月28日 0.5334% → 06月29日 0.5330%と落ち着いており、低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は29、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.73ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.08、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落率ほどは下げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+1.1%となり、日経平均は100円の割高で、プラス幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、+30円 ~ +260の間で推移しています。日本市場は、米国市場より下げ渋りました。今夜の米国市場は、6月のADP雇用統計、6月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られませんが、市場はこの材料にそろそろ厭きてきた面もあるようです。さらに、LIBORも下降ぎみですので、安心感も出てきたようですが、米国市場では、景気後退懸念が主テーマとなってきた面があり、週末の雇用統計の発表がより注目されそうです。日経平均は一時6月9日の安値9378円を下回りました。3点底となるか、さらに安値を更新するかで中期的な展開が決まりそうです。


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