日経平均の予想: [2010/06/14]日経平均の今後の見通し

Monday, June 14, 2010

[2010/06/14]日経平均の今後の見通し

[市況]
11日の、NYDowとNASDAQは上昇しました。14日の日経平均先物は、前日比120円高で寄り付きました。前場は徐々に値を上げる展開となりました。後場も高値を維持する動きとなり、最終的に200円高で終わりました。日経平均は174円高で引け、出来高は14.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、150万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
11日の米国市場では、5月の小売売上高が市場予想に反して減少したことで、個人消費が伸び悩むとの見方を誘い、前日に相場が急伸していたこともあり、利益を確定売りが先行しましたが、6月の消費者態度指数が予想以上に伸び、消費者心理悪化への懸念が薄らぎ、午後にかけ買いが優勢になりました。
14日の日本市場では、外部環境の落ち着きに加え、円安ぎみの推移などを好感し、朝方から買いが優勢となりました。4-6月期の法人企業景気予測調査で、大企業の景況判断指数が、プラスとなったことが支援材料となり、高値圏を維持しました。後場は手掛かり材料難から手控え気分を強めましたが、25日移動平均線を奪回する場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-10.2%とマイナス幅を縮めました。200日線との乖離率は-4.2%とマイナス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.1ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅0.5ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.02ポイント割高ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、6月の消費者態度指数、5月の消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、5月の小売売上高、5月の景気指数、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の米仮契約住宅販売指数や4月の新築一戸建て販売件数が市場予想を上回り、4月の中古住宅販売件数も市場予想以上に改善しました。一方、3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は弱含みでした。5月の景気指標はまちまちとなり、世界市場の下落が景気の行き先懸念を生んでいます。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、沈静化するには至っていません。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3カ月物金利の推移は 06月09日 0.5366%0 → 6月10日 0.5364% → 06月11日 0.5371%と落ち着いてきましたが、上昇傾向は続いています。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は11日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.88ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが17.0、PBRが1.14、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+0.1%となり、日経平均は10円の割高で、プラス転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-200円 ~ +100の間で推移しています。日本市場は、景況判断指数の発表が支援材料となり、米国市場より強い動きとなりました。今夜の米国市場は、重要な経済指標の発表がなさそうですので、ユーロの動きの他、個別材料が注目されそうです。ユーロは三角持ち合いから、目先の上離れが、ここ数日継続していますが、ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られません。一方、上海市場は休場でした。日米とも、目先は25日線超えにチャレンジする動きとなりそうですが、欧州財政問題は解決されたとは言えず、株価が25日線の上で長期間推移することは困難と思われます。日経平均は10000円を大きく超えるなど、下値切り上げ型を確認するまでは、本格反転は期待薄と思われます。


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