日経平均の予想: [2010/06/16]日経平均の今後の見通し

Wednesday, June 16, 2010

[2010/06/16]日経平均の今後の見通し

[市況]
15日の、NYDowとNASDAQは大幅上昇しました。16日の日経平均先物は、前日比200円高で寄り付きました。前場はその水準で小動きでした。後場寄り後に270円高まで買われました。その後は売りに押されましたが、引けにかけて買い戻され、最終的に250円高で終わりました。日経平均は179円高で引け、出来高は17.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、130万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
15日の米国市場では、スペインの短期国債入札が無難な結果となったことから、ユーロが対ドルで上昇したこともあり、買い安心感が広がりました。6月の住宅市場指数が低下したため、発表直後は相場が伸び悩む場面もありましたが、6月のニューヨーク連銀景気指数が小幅に改善した一方、5月の米輸入物価指数が下落したことで、景気回復の持続や物価上昇圧力の弱さを示したとして好感されました。原油先物相場の上昇もあり、NYDowは大幅高となりました。
16日の日本市場では、欧州信用不安の後退に伴う米国市場の大幅上昇を背景に、朝方から全面高となりました。日経平均株価は、取引時間中では5月20日以来となる1万円大台を回復すると、後場はユーロ安・円高基調の一服を背景とする企業業績の改善期待も押し上げ要因となり、上げ幅を220円超へ拡大させる場面がありました。その後は手掛かり材料難から伸び悩んで引けました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-4.2%とマイナス幅を縮めました。200日線との乖離率は-2.3%とマイナス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは9日線の上に在り、200日線、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。中期トレンドは赤信号から黄信号に変りました。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅0.9ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.05ポイント割高ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、5月の小売売上高、5月の景気指数、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の米仮契約住宅販売指数や4月の新築一戸建て販売件数が市場予想を上回り、4月の中古住宅販売件数も市場予想以上に改善しました。一方、3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は弱含みでした。5月の景気指標はまちまちでしたが6月は改善傾向です。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3カ月物金利の推移は 06月11日 0.5371% → 06月14日 0.5371% → 06月15日 0.5389%と落ち着いてきましたが、上昇傾向は続いています。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は15日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.99ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが17.3、PBRが1.16、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率と同程度に大幅上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+0.8%となり、日経平均は70円の割高で、プラス幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-140円 ~ +130の間で推移しています。日本市場は、米国市場に連動した動きとなりました。今夜の米国市場は、5月の住宅着工件数や5月の鉱工業生産が注目されそうです。日米とも、25日線を超え、米国市場は200日線もハッキリ抜きました。日経平均は10000円台を回復し6月4日のW型ボトムの戻り高値を上回りましたので、今回の下げの安値は6月9日の9378円だったと考えてよさそうです。日経平均も200日線までの戻りがあっても良さそうです。ただ、日足は3空となりましたので、目先は利食い売りで窓埋めの動きとなる可能性があります。一方、ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られません。また、LIBORの上昇傾向も続いており、欧州の銀行間の疑心暗鬼は続いています。今後も欧州で悪材料が出れば大幅下落するリスクは有りそうですが、その場合でも9378円を下回る可能性は少なくなったようです。


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