[市況]
27日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は前日比80円ほど高く寄り付きましたが、前場は下げに転じ一時前日比30円ほど安くなる場面がありました。後場も小動きに推移し、結局15円高で引けました。寄付き前の外人は300万株の買い越しながら、出来高は13.9億株と最低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
27日の米国株式市場では、原油先が一時1バレル119ドル台に上昇し朝方には主な指数がマイナスで推移する場面もありましたが、7月の米耐久財受注額の増加が前月比1.3%増と予想を上回ったことが好感され、また、公的資金の注入による救済を議論するのは時期尚早とするアナリストの見方が伝わった住宅公社の株価が大幅に続伸し、金融株が幅広く買われたことも相場を押し上げる要因となりました。
28日の日本市場では、場中の日経平均は小安く推移したものの米国市場の上昇が材料となり値がさ株の一角が買われ、日経平均を下支えしました。しかし、国内外景気への懸念が根強く、積極的な買いは控えられ、東証1部の売買代金は11営業日連続で2兆円割れとなり様子見ムードは続きました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的には"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-15.2%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-7.5%とマイナス幅が縮小しましが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.7ポイントと変化はありません。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.9ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線の下に在りますが、9日線、25日線を抜き、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは200日線と75日線、9日線の下に在りますが、25日線を抜き、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは"黄色信号"で、中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油高の悪材料を設備投資の増加傾向の好材料が抑えた格好です。短期上昇トレンドはなんとか持ちこたえていますが、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、27日も若干上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在18.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.4となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場高にも関わらず若干円高方向になったこともあり限定的な上昇となり、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.4%(-310円)と割安度は拡大しました。ドル換算チャートでは、25日線の下に在りますが9日線を超えましたので少し希望が出てきました。日本市場は「閑散に買い無し」にもなっています。外人の買いがやや優勢である点と、米国市場が目先まだ崩れていないことが、評価できる材料ですが、来週の米雇用統計発表までは閑散相場は続きそうです。
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