[市況]
1日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は前日比10円ほど安く寄りつき、直後にプラスとなりましたが、直ぐに下落に転じました、後場に一時下げ渋る場面もありましたが、結局161円安で引けました。出来高は21.4億株と低水準ながら増加ぎみながら、寄付き前の外人は1350万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を大幅に拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
1日の米国株式市場では、7月の雇用統計で雇用者数は前月比5万1000人減で、失業率は5.7%と悪化したことや、4―6月期の決算が大幅赤字となったGMが売られ、ダウ平均は110ドル超に下げ幅を拡大する場面がありましたが、雇用者数の減少幅は市場予想ほどでなかったことや、7月の米ISM製造業景況感指数が市場予想を上回り、金融株は底堅く推移したこと等、売り一巡後は下げ渋りました。
4日の日本市場では、7月の米新車販売の低迷を受け、自動車メーカーや関連の部品株が軒並み売られ、世界景気の悪化を警戒して機械株や、海運株、鉄鋼株、商社株が軒並み下落しました。福田首相の経済対策指示が伝わったものの反転とはなりませんでした。一方、ディフェンシブ銘柄の電力、薬品、通信、小売の一角が上昇しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線の下で、9日線と25日線を割ってしまいましたので、短期的には"赤信号"です。さらに、一目均衡表の雲の下にあり、総合乖離率は-16.0%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-8.6%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.1ポイントと変わりませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.1ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎとなっています。
NY Dowは、下落し、一目均衡表の雲と、75日線と9日線の下に在り、25日線まで下げました。Nasdaqは一目均衡表の雲と75日線の下に在りますが、8/1現在では、25日線と9日線の上をキープしています。米国市場の短期トレンドはまだ"青信号"ですが、目先は下落リスクが出てきました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は8/1も新車販売の低迷と雇用統計をあまり評価せず、下げました。テクニカルには、短期の上昇余地はまだ有りそうに見えますが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するにはさらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われます。第二弾の対策が出ましたので市場の評価を見守る必要がありそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、1日は若干上げました。(7月安値14.0ドルに対して現在18.9ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-5.6%となり、予想PERは15.8となりました。
[今後の見通し]
日本市場は主力株が大きく下げた割には日経平均の下げは限定的でした。ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.5%(-340円)と昨日と同レベルで、4-6月期の決算の影響で、ここ3日ほど、売られ過ぎが続いています。ドル換算チャートでは9日線と25日線を大きく割り、直近の安値も割って、円ベースの日経平均も実質下降トレンド入りしたことを示しています。下値の目途はとりあえず、ボリンジャーバンドの-2σ(今日現在12700円)が想定されますが、狭まってきましたので、大きく下振れする可能性もありますが、米国市場がまだ踏ん張っているのが僅かな望みです。
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