[市況]
25日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均は前日比170円ほど安く寄り付き、前場は上げ幅を広げ一時前日比280円ほど高くなる場面がありましたが、後場も小動きながら堅調に推移したものの引けにかけて売られ、結局100円高で引けました。寄付き前の外人は800万株の買い越しながら、出来高は13.4億株と最低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス転換しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況になりました。
25日の米国株式市場では、発表7月された7月の中古住宅販売件数は前月比増加し、市場予想を上回ったものの在庫が増加したことが嫌気され買い材料とはなりませんでした。一方、AIGの一株損益見通しと目標株価が引き下げられたことや、韓国政府系金融機関のリーマン・ブラザーズ買収に関し、韓国の金融当局高官が慎重な姿勢を示したと伝わったこと、さらに前週末に米地銀の破たんが発表になったこともあり、金融株が売られ、株価指数は大幅に下げました。
26日の日本市場では、米国市場が急落したことで、大手銀行株や国際優良株が下げて始まったものの、一昨日の安値を下回らなかったこともあり、売り一巡後は上昇に転じ、円が朝方の水準からやや円安方向に振れると自動車株の一角が上げに転じ、日経平均は下げ渋って終了しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的には"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-15.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-7.7%とマイナス幅が拡大しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.7ポイントに縮小し、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.2ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線の下に在り、9日線、25日線を割り、一目均衡表の雲の下限まで下げました。Nasdaqは200日線と9日線の下に在り、75日線を割り、25日線と一目均衡表の雲の上まで下げました。米国市場の短期トレンドは"黄色信号"となりました。中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は金融株に悪材料が出て下落し、短期上昇トレンドはなんとか持ちこたえていましたが、再び正念場となりました。今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、25日は下落しました。(7月安値14.0ドルに対して現在17.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.5となりました。
[今後の見通し]
日本市場は一昨日の安値を下回らずに陽線で終了したことで、米国市場の下落率に比べ限定的な下げとなり、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.3%(-310円)と割安度は大幅に縮小しました。ドル換算チャートでは、25日線と9日線の下に在り、年初来安値を更新し、短期下降トレンドを確認しています。寄り付き前の外人の買い越しが2日続いた点は評価できますが、米国市場が正念場を脱したとしても、この出来高の低調さが続けば、本格的な反転とは成り難いと思います。
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