[市況]
20日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は前日比30円ほど高く寄り付きましたが、前場は直ぐに下落に転じ軟調な展開となりました。後場も軟調な地合いを引き継ぎ、結局99円安で引けました。寄付き前の外人は320万株の買い越しながら、出来高は15.7億株と低水準で、安値を更新しましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を縮小しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況ですがボトムアウト感がでてきました。
20日の米国株式市場では、2日でNYDowが300ドル超下げた翌日とあって自律反発狙いの買いが入りやすく、HPの好決算や原油の続伸でハイテクやエネルギー株が買われたことが支援材料となったようです。ただファニーメイ、フレディマックへの公的資金投入による救済が近いとの見方が強まり、株主価値が大きく失われることへの懸念から両公社の株価が大幅に続落して、相場全体の足かせとなりました。
21日の日本市場では、朝方は米市場の反発を手掛かりに銀行などに買いが入ったものの上昇は続かず、リーマンの資本調達が不調?との懸念が出て、米金融システムや景気に対する不透明感が根強く先物主導で下げ、金融株の下げが目立ちました。円が108円台に上昇したことやアジアの主要な株式相場の下落も相場の重しとなったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-17.3%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-8.3%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.8ポイントに拡大しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.6ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、上昇したものの、75日線、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に入って終了しました。Nasdaqは200日線の下で25日線の上ですが、9日線の下に在り、75日線を割り、一目均衡表の雲まで下げています。米国市場の短期トレンドは"黄信号"です。中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は主要な経済指標の発表はなくまちまちな動きでした。短期上昇トレンドも正念場となっています。今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、20日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在17.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.4となりました。
[今後の見通し]
日本市場は金融不安が意識されて、昨日とは逆に米国市場の上げの割には軟調な動きでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.7%(-360円)と割安度は拡大しましたが円高に振れた為に限定的でした。円ベースでは下げの勢いはさほど感じないものの、ドル換算チャートでは25日線と9日線の下に在り、短期下降トレンドが顕著です。日経平均の円ベースの日足は、三角持合を下離れたものの、目先の下値もボリンジャーバンドの-2σ(12700円)に接近して反転の発射台に到達した感も有りますが、反転の兆しや材料がまだ見えません。少なくとも、外人の買い転換と出来高の増加が必要条件と思います。
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