[市況]
26日のNYSEは小幅上昇でNASDAQが小幅下落したことを受けて、日経平均は前日比40円ほど安く寄り付き、前場は下げ幅を広げ一時前日比100円ほど安くなる場面がありました。後場も小動きながら軟調に推移し、結局25円安で引けました。寄付き前の外人は430万株の売り越しで、出来高は13.0億株と最低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況になりました。
26日の米国株式市場では、7月の新築住宅販売件数は前月比増加したものの、6月分が下方修正されたため、市場予想に届かず、6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比下落率が過去最高ながら、前月比では下落率が縮小。4-6月期の住宅価格指数でも1-3月期から縮小。8月の消費者信頼感指数は市場予想を上回ったものの、現状指数が下落するなど、材料は強弱定まらず、株価指数は方向感のない展開でした。
27日の日本市場では、国内外の景気の先行き不透明感に加え、グルジアを巡る国際紛争リスクから、主力株などがポジションを減らす売りに押されたようです。米金融不安への警戒もあって積極的な売買が手控えられて売買が一段と細りました。売買代金が2兆円を下回るのは今日で10営業日連続と云う閑散相場です。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的には"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-16.1%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-7.8%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.7ポイントと変化はありません。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.2ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度も変化はありませんでした。
NY Dowは、上昇したものの、75日線、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の下限まで下げています。Nasdaqは200日線と75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の上まで下げています。米国市場の短期トレンドは"黄色信号"で、中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は方向感はないものの、短期上昇トレンドはなんとか持ちこたえていますが、正念場であることは変わりません。今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、26日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在17.8ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.5となりました。
[今後の見通し]
日本市場は若干円高方向になったにも関わらず限定的な下げとなり、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.8%(-240円)と割安度は縮小しました。ドル換算チャートでは、25日線と9日線の下に在りますが、9日線に接近しました。日本市場は「閑散に売り無し」を地でいっていますが、一方、本格的な反転とは成り難いと思います。外人の売りが減ってきたことと、米国市場が目先まだ崩れていないことが、この程度の動きで済んでいる理由と思います。
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