日経平均の予想: <080808>日経平均の今後の見通し

Friday, August 08, 2008

<080808>日経平均の今後の見通し

[市況]
7日のNYSEとNASDAQが下落したことを受け、日経平均は前日比100円ほど安く寄りつきました。前場は190円安まで有りましたが、後場中ごろまでにかけて上昇し、結局43円高で引けました。寄付き前の外人は1130万株の売り越しとなり、出来高は22.8億株と低水準ながら増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス転換しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況となりました。
7日の米国株式市場では、ウォルマートの7月の小売売上高は市場予想を下回り、米消費減速懸念が強まったことや、AIGの急落、証券会社の収益見通し悪化が伝わり、金融株が下落するなど、相場の重石となりました。一方、6月の仮契約住宅販売指数が市場予想に反して増加し、相場は下げ渋る場面がありました。インテルが上げ幅を広げたこともあり、NASDAQは上げに転じる場面もありました。
8日の日本市場では、株価指数オプション8月物のSQを通過し、売り建てていた投資家からの買い戻しが優勢となったことや円相場が109台後半で推移したことで、トヨタなど自動車株や建設株、精密株などが上昇しました。一方、大手銀行株は売られました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線の下に在りますが、9日線と25日線を上回って終わりましたので、短期的には一応"青信号"ですが、三角持合となっています。一方、一目均衡表の雲の下にあり、総合乖離率は-9.8%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-6.4%とマイナス幅は縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.2ポイントと拡大しましたが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.6ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は改善しました。
NY Dowは、下落し、一目均衡表の雲と、75日線の下に在りますが、まだ、25日線と9日線の上に在ります。Nasdaqも一目均衡表の雲と75日線の下に在りますが、9日線と25日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは"青信号"ですが、中長期トレンドは、"赤信号"のままです。

[ファンダメンタル視点]
米国市場は米消費減速懸念が強まり、金融株安と重なり下落しましたが、短期の上昇トレンドは維持されています。しかし、米国も今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するにはさらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、7日は大幅に下落しました。(7月安値14.0ドルに対して現在18.5ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.0%で、予想PERは15.8となりました。

[今後の見通し]
日本市場は米国市場の下落にも関わらず、SQを通過したことで、買い戻しが入り若干上昇しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.6%(-350円)と割安度は大幅に減少しました。4-6月期の決算の影響で、ここ7日ほど、売られ過ぎが続いていましたが、そろそろ改善に向かいそうです。ドル換算チャートでは9日線と25日線を大幅に下回り、今日も直近の安値を更新していますので、日経平均は実質下降トレンドに在り、安心できません。円ベースの日足は三角持合となり、ボリンジャーバンドも狭まってきましたので、いずれ上下どちらかに大きく振れそうです。


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